てるみくらぶ、破産直前の債務超過額は126億円:6カ月で負債50億円膨らむ
破産手続き開始決定を受けた格安海外旅行会社「てるみくらぶ」の資産内容を、東京商工リサーチが明らかに。債務超過額は126億円。関連会社8社の状況も判明した。
3月27日に破産手続き開始決定を受けた格安海外旅行会社「てるみくらぶ」の資産内容を、東京商工リサーチが明らかにした。債務超過額は126億円。
東京商工リサーチが独自に入手した試算表によると、2016年9月期の債務超過額は約75億円。破産を申請する直前の3月23日には約126億円まで急速に膨れ上がっていた。現預金が14億円から2億円に大幅に減少する一方で、前受金は70億円から100億円になっていた。
てるみくらぶは、破産申し立ての経緯について「3月23日に予定していた国際航空運送協会(IATA)に対する航空運賃の支払いが遅れる事態となり、新規の航空券の発券ができない状態に陥るとともに、新規の受注業務が困難に。資金調達の目途(めど)をつけられず、破産手続きの申立を開始した」と説明している。資金繰りの悪化が急速に進む中で、「現金一括入金キャンペーン」を盛んに行うなどキャッシュフロー改善や資金調達に努めたが、支払いができなかったと見られる。
また、関連会社とその状況が明らかになった。てるみくらぶの関連会社は8社。グループを束ねる「てるみくらぶホールディングス」の傘下には、「てるみくらぶ」「自由自在」「アイ・トランスポート」と、現地法人の「至品旅行社(Tellmeclub Taiwan)」「TELLME CLUB CEBU」「TELLME CLUB KOREAN」「TELLME CLUB VIETNAM」「TMI(サイパン)」がある。このうち、アイ・トランスポート、TELLME CLUB CEBU、TELLME CLUB KOREAN、TMIは休眠中。
破産申立書によると、てるみくらぶホールディングスと自由自在は破産申し立て予定。残りの6社は現在のところ予定はないという。
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