ロボットを高齢者住宅に導入、NTTデータなど実験 食欲・睡眠など効果検証
高齢者の生活改善などに役立つかを検証。2017年度中をめどに、新しいコミュニケーションロボットの商用化を目指す。
NTTデータ5月16日、コミュニケーションロボット「Sota」を高齢者の住宅に導入し、生活改善の効果を検証する実証実験を始めると発表した。住環境研究所(JKK)、積水化学工業と共同で進める。実験結果を基に、高齢者や介護スタッフの負担を軽減するコミュニケーションロボットの開発を進め、2017年度中をめどに商品化を目指す。
ロボット「Sota」(Vstone製)は、音声認識機能を備え、高齢者が楽しんで会話できるようなシナリオをしゃべるという。例えば、高齢者に一定のタイミングで「水分を補給しましょう」などと呼び掛け、行動を促す。
実験では、高齢者との会話が増えるか、食欲や運動(活動量)、睡眠などの生活状況が改善されるかを確認する。コミュニケーションロボットが、高齢者に好意的に迎えられるかどうかも検証するという。
ロボットは、積水化学工業が販売する住宅や、セキスイオアシスが運営する高齢者住宅、デイサービス施設などに導入する。6月にロボットの設置、データ取得を始め、9月から10月にかけてデータの分析や効果の検証を行う予定。
これまでNTTデータは、介護人材不足や在宅介護の増加など、高齢化問題の解決に向け「ロボットとの対話を用いた介護支援サービスを検討してきた」(同社)。今回の実験では「コミュニケーションロボットが高齢者の会話促進・健康的な暮らしに寄与するという仮説の有用性を検証する」という。
実験を取りまとめるJKKは「会話が増えることが生活の好循環を作り出す」と説明。「(コミュニケーションロボットによる)会話促進が高齢者の生活全般の改善に寄与することを期待する」としている。
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