なぜ今更? Hulu日本版、リニューアルで「Silverlight」導入のワケ
日本版Huluがリニューアルで新たにSilverlightを導入。“終わりつつある”プラグインをなぜ今更、導入したのか。理由を聞いた。
5月17日にリニューアルした動画配信サイト「Hulu」日本版で、新たに「Silverlight」が導入されたと話題になった。Silverlightは、Microsoftが開発した動画再生用プラグインだが、最近はサービスを縮小しており、2021年にサポートも終了する予定だ。いわば“終わりつつある”プラグインをなぜ今、新たに導入したのか。Hulu日本版を運営するHJホールディングスに聞いた。
Hulu日本版は5月17日のリニューアルでシステムを刷新。米国Huluのシステムから日本オリジナルのものに全面移行し、推奨環境も変更。Windows 7の「Internet Explorer 11」(IE 11)で視聴する場合はSilverlightのインストールが必須になり、「なぜ今更、Silverlightを新規導入するのか」と話題が広がった。
HJホールディングスによると、Silverlight導入は、動画の著作権を保護する「DRM」(デジタル著作権管理)のためだ。Windows 8.1以上なら、IE 11でHuluを視聴する場合もプラグインなしでDRMが働くが、Windows 7だとそのままではDRMが働かず、動画のコピー制御などが難しくなるため、DRMに対応したSilverlightを導入する必要があったという。
「Netflix」や「Amazonビデオ」など他社サービスでも、「Windows 7+IE 11」で視聴する場合はSilverlightが必要だとアナウンスしており、両サービスとも日本版Huluと同じ理由でSilverlightを導入しているとみられる(Netflixの対応環境)(Amazonビデオの対応環境)。
日本版Huluが22日に開設した、PCの推奨環境を説明するページの記載が、誤解を広めた面もある。このページには、「IE 11.0以降」について「Micrsoft Silverlight、Adobe Flash Playerのインストールが必要です」と書かれていたため、「IE 11での視聴には、OSを問わずSilverlightが必須」との誤解が広がった。実際はOSがWindows 7の場合のみSilverlightが必要。同社は23日、「Microsoft Silverlightは、Windows 7にてIEを利用する場合のみインストールが必要です」と追記し、Silverlightが必要な環境を明確にした。
日本版Huluは、17日のリニューアル以降、動画が再生できないなどの不具合が続出したほか、対応環境をリニューアル前に十分に告知していなかったことが問題視され、批判が集まっている。一連のトラブルでHuluの解約を考える人も増えているようで、「Hulu 解約」の検索数が17日以降急増している。
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