ニュース
ソフトバンク傘下のARM、AI高速化の新CPU/GPU発表 搭載端末は2018年に
AppleやQualcommがアーキテクチャを採用するARMが次世代CPU「Cortex-A75」「A-55」およびGPU「Mali-G72」を発表。2018年にはAI高速化設計のこれらのプロセッサ搭載の端末が登場する。
ソフトバンク傘下の英ARMは5月29日(現地時間)、AIや機械学習の処理を高速化する次世代CPU「Cortex-A75」「Cortex-A55」およびGPU「Mali-G72」を発表した。Cortex-A75は現行製品より性能が50%向上したという。
ARMのアーキテクチャは米Apple、米Qualcomm、韓国Samsung Electronicsなどが自社プロセッサのベースとして採用している。ARMによると、新プロセッサ搭載の端末は2018年初旬に登場する見込み。
同社はこれらのプロセッサはAI、機械学習、VR/ARに最適化したと強調する。新CPUはARMの新しいCPUクラスアーキテクチャ「DyamIQ」を採用。CPUクラスタの規模を従来の最大4コアから2倍の8コアに拡張し、ヘテロジニアスマルチコア構成を可能にした。新しいCPU、GPUおよびオープンソースの「ARM Compute Library」を組み合せることで、AI性能を効果的に向上させられるという。
Cortex-A75は、A73より20%性能が向上し、メモリスループットは16%向上、Geekbenchのベンチマークでは34%高いという。
Mali-G72は機械学習処理性能がG71よりも17%向上し、25%省電力化した。機械学習だけでなく、VR/AR体験やゲーム体験も改善するとしている。
関連記事
- Apple、iPhoneなどに搭載するAIチップ「Neural Engine」を自社開発中とのうわさ
AppleがiPhoneやiPadに搭載するAI専用プロセッサを開発しており、既にプロトタイプをテスト中であるとBloombergが報じた。 - ソフトバンクの10兆円ITファンド、Appleやシャープも参画で発足
ソフトバンクはIT関連企業への出資を目的とした「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を約930億ドル規模で発足したと発表した。サウジアラビア、アブダビ首長国の政府やApple、Qualcomm、シャープなどが参画する。 - Apple、iPhoneのGPU内製化へ サプライヤーImaginationは「困難なはず」
AppleがiPhoneやiPad、Apple WatchなどのGPUを、これまでのImagination製から自社設計のものに切り替える計画をImaginationに通告した。Imaginationはライセンスを侵害せずに内製化するのは困難なはずだとしている。 - Google、AIチップ「TPU」はGPUより30倍速い
Googleが人工知能「AlphaGo」やGoogle翻訳などのディープラーニング採用サービスで使っているオリジナルプロセッサ「TPU」はCPUやGPUより15〜30倍速いと説明した。 - 新型iPadのプロセッサはiPhone SEと同等
第5世代の9.7インチiPadのベンチマークをMACお宝鑑定団が実施。その結果は? - ARMサーバで稼働する「Windows Server」、MicrosoftとQualcommがOCPで発表
QualcommがMicrosoftと協力して開発したARMプロセッサ搭載のクラウドサーバの仕様をOCPに提供した。MicrosoftはOCP Summitでこのサーバで稼働する「Windows Server」を披露した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.