ニュース
「音楽教室と小中学校は異なる」――林芳正新文科相、JASRACの著作権料徴収に言及
「音楽教室は営利目的が一般的で、小中学校で音楽を習うのとは性格が異なる。一定の線引きが必要」――8月3日の内閣改造で入閣した林芳正 新文部科学大臣が、音楽教室からの著作権料徴収に対する考えを示した。
日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室から著作権料を徴収する方針を巡り、林芳正 新文部科学大臣は8月4日、記者会見で「音楽教室は営利目的が一般的で、小学校や中学校で音楽を習うのとは性格が少し異なる。一定の線引きが必要」と話した。
JASRACは、2018年1月から音楽教室が得た受講料の2.5%を著作権料として徴収する方針を発表し、教室側と意見が対立している。ヤマハ音楽振興会や河合楽器製作所など249社で結成する「音楽教育を守る会」は今年6月、JASRACの徴収権限がないことを確認する訴訟を、東京地裁に提起した。
著作権法では、著作物を公衆に聞かせるために演奏する権利(演奏権)を、作詞・作曲者が占有すると定めている。JASRAC側は、音楽教室が「公衆に演奏の場を提供している」と主張。一方、音楽教育を守る会は、教室での演奏は(1)教師と少数の生徒によるもので「公衆への演奏ではない」(2)「聞かせることを目的とした」演奏ではない――などと反論している。
林芳正氏(56)は、3日に発足した第3次安倍改造内閣で文部科学大臣に就任した。
関連記事
- ヤマハら音楽教室側、JASRACを集団提訴 著作権料徴収方針めぐり
「日本の音楽教育、将来の音楽文化の発展を阻害する問題に団結して立ち向かう」としている。 - JASRAC、音楽教室からの著作権料徴収を正式発表 来年1月から
原則として、音楽教室が得た受講料の2.5%を徴収する。 - 宇多田ヒカルさん「無料で使ってほしい」 「JASRACが音楽教室から著作権料」に意見続々
JASRACが音楽教室から著作権料を徴収する方向で検討していることについて、宇多田ヒカルさんなどアーティスト側からも反対意見が出ている。JASRAC理事は「宇多田さんのような考え方は少数」とコメント。 - JASRAC、「音楽教室から著作権料」について説明 「事実と異なる情報広がっている」
JASRACが音楽教室から著作権料を徴収する方針について「報道やSNSで事実と異なる情報も広がっている」とし、見解を説明するQ&Aを公開した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.