JASRAC、「音楽教室から著作権料」について説明 「事実と異なる情報広がっている」
JASRACが音楽教室から著作権料を徴収する方針について「報道やSNSで事実と異なる情報も広がっている」とし、見解を説明するQ&Aを公開した。
日本音楽著作権協会(JASRAC)は2月27日、「ヤマハ音楽教室」など楽器の演奏を教える教室での楽曲演奏から著作権料を徴収する方針について、「一部報道やSNS等で事実と異なる情報も広がっている」とし、JASRACの見解を説明するQ&Aを公開した。これまでの経緯や、徴収の法的根拠などを説明している。
JASRACは、楽器教室で来年1月から、演奏権に基づく著作権使用料を徴収する計画を明らかにしている。
徴収については、2003年から楽器メーカーなどと協議してきたという。既に、カラオケ教室や、カルチャーセンターで行われる楽器教室などからは使用料の徴収を始めており、「(カルチャーセンターではない)楽器教室のみが支払いをいただけていない状況」と説明。「使用料を支払っている事業者との公平性を確保する観点からも、これ以上、楽器教室の使用料徴収の開始を遅らせることはできない」と考えているという。
「楽器教室での演奏は教育目的なので、演奏権は及ばないのでは」という疑問に対しては、「営利事業である音楽教室には演奏権が及ぶ」と説明。「楽器教室での演奏は『公の演奏』に当たらないのでは」との疑問には、「著作権法上、楽器教室で演奏する主体は教室の経営者であり、音楽著作物の利用は不特定の顧客(受講者)に対するもなので、公の演奏に当たる」と説明している。
今回の徴収対象は、楽器メーカーや楽器店が運営する楽器教室を想定。個人教室は当面、対象にしないという。使用料はほかの分野と同様、年額で契約する包括契約や、1曲1回ごとに徴収する形を検討。受講者数と受講料に応じて設定するという。具体的な額は明らかにしていない。
「楽器教室からの使用料徴収は音楽文化の衰退につながるのでは」との意見には、「著作権を保護し、使用料をいただいて著作者に分配することが、次の創作を支えていく『創造のサイクル』維持につながる」とし、「楽器教室にこの創造のサイクルに加わっていただくことこそが、新たな作品の創造につながり、音楽文化の発展に寄与する」と理解を求めている。
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