TwitterのドーシーCEO、アカウント規制について「透明性強化の必要がある」とツイート
Twitterが、大物プロデューサーからのセクハラをカミングアウトした女優のアカウントを一時制限したことが物議を醸した。同社は制限の理由を説明して制限を撤廃し、ジャック・ドーシーCEOはこの件について「行動をもっと透明にする必要がある」とツイートした。
米Twitterのジャック・ドーシーCEOは10月12日(現地時間)、「信頼を獲得するために、われわれの(ユーザーアカウントの制限などの)行動についてさらに透明性を高める必要がある」とツイートした。このツイートには、女優のローズ・マッゴーワン氏のアカウントを一時的に制限(現在は復旧している)した理由を説明するTwitterの公式アカウントのツイートが添えられている。
マッゴーワン氏はハリウッドの大物映画プロデューサー、ハービー・ワインスタイン氏から受けたセクハラについてカミングアウトし、Twitterでも「レイプされた」などとツイートしている。ワインスタイン氏の過去30年以上にわたる女優やモデルへのセクハラ行為については米New York Timesなどが複数の女優の証言を基に記事を掲載し、結果的に同氏は8日、自身の企業The Weinstein Companyの会長職を解任された。
マッゴーワン氏はInstagramにアカウントの一時的な制限についての通知の画像を投稿し、「圧力をかけられた。私の声になってください」とフォロワーに訴えた。
Twitterはマッゴーワン氏のアカウントを制限したのは、プライベートな電話番号を掲載したツイートが投稿されていたためと説明。Twitterからマッゴーワン氏に連絡し、同氏がそのツイートを削除したので制限を撤廃したと説明した。Twitterは「われわれは権力に対して真実を語る声を支援することを誇りに思っている。体験を語るためにTwitterを活用する勇気ある女性や男性の味方だ」とツイートした。
アカウントの一時的な規制についてのサポートページをみると、制限の原因になったツイートを削除すれば制限が撤廃される可能性があることが分かるが、マッゴーワン氏によると、どのツイートを削除すればいいのかは示されなかったという。
Twitterは9月、スパムなどに対処するためにルール違反行為を検出するためのAIシステムを強化しており、その影響で問題のないアカウントを巻き込む可能性もあると説明した。同社はそうした可能性を低くするよう努力しているとも説明した。
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