減収減益のDeNA、ゲーム事業「以外」の柱を作れるのか
DeNAの2017年4〜9月期の連結業績は減収減益。ゲームタイトルの広告宣伝費などがかさんだ。2025年に向け、ゲーム以外の「新たな柱」作りを目指す。
ディー・エヌ・エー(DeNA)が11月9日に発表した2017年4〜9月期の連結業績は、売上高が733億円(前年同期比4.2%減)、営業利益が136億円(同10.3%減)と減収減益だった。主力であるゲーム事業の運営を強化する外注費、好調タイトル「逆転オセロニア」などの広告宣伝費がかさんだ。南場智子会長は「これまではゲームで成長してきたが、2025年にはゲーム事業に匹敵する柱を複数立てたい」というが、その道筋は。
ゲーム事業の売上高は487億円(前年同期比3.4%減)、セグメント利益は134億(同2.5%増)。任天堂との協業タイトル「Super Mario Run」「Fire Emblem Heros」などが海外を中心にユーザー数、売上を伸ばしたという。11月下旬には「どうぶつの森 ポケットキャンプ」の配信を予定し、守安功社長は「性別、年齢、地域を問わず多くのユーザーに遊んでもらえるのでは」と期待を寄せる。
内製タイトルの「逆転オセロニア」は、テレビCMなど宣伝を強化。配信から約1年半で1500万ダウンロードを突破し、直近のユーザー消費額は月間10億円超というが、広告費がかさむなど減益要因にもなった。しかし今後もオンライン・オフラインを問わずプロモーションを強化する方針。新規タイトルがなく減少傾向にあるブラウザゲームを、こうしたアプリゲームの成長で支える考えだ。
一方、南場会長は「これまでDeNAはゲームで成長してきたが、2025年にはゲーム事業に匹敵する柱を複数立てたい」とも話す。具体的には、EC・ネットサービス、スポーツ、ヘルスケア、オートモーティブなどだ。
オートモーティブ分野では、タクシー配車アプリ「タクベル」の実証実験を9〜10月に実施。AI(人工知能)技術を使い、タクシーと乗客のマッチングを効率化する。今後は配車だけでなく、効率よく客を乗せるために需要予測も行うなど、模索を続ける。ネットサービス分野では、ライブ配信サービス「SHOWROOM」が好調で、着実に売り上げを伸ばしているという。
ただ、守安功社長は「注力する4分野にはそれぞれ事業プランがあるが『これは行ける』という段階には至っていない」とも。「2020年度にはプランをきっちりと形にしてお知らせしたい」としながら、「既存事業以外のものが新たな柱になることも考えている」と説明した。
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