自腹切っても「楽しいから」……アキバで“流通”する仮想通貨「モナコイン」の謎(4/4 ページ)
日本発の仮想通貨「モナコイン」が静かに広がっている。支えるコミュニティーの規模は「国内最大級」とも。モナコイン普及のため、100万円以上もの自腹を切る人まで現れた。
モナコインの魅力とは
そばちょくさんがコインを配った日、秋葉原UDX前には100人以上のモナコイナーが集まった。「モナコインクッキー」や「モナコインのロゴ入りポーチ」を配る人も。ネット上でモナコインを投げ銭するように、お互いに物を贈り合ったり、感謝を示し合っていた。
福岡からわざわざ来たという女性(34)は、最近、堀江貴文さんの発言でモナコインを知り、興味を持ったと話す。「ビットコインは知っていたが、日本発の仮想通貨もあると知り、愛着がわきそうだなと。Ask monaのやりとりを見て『モナコインの投げ合いが楽しそう』と感じた」。
「Monappy」「tipmona」開発者のPalonさん(20・男性)が両サービスを開発したのは高校生のころ。「モナコインは当時、生まれたばかりで、利用できるサービスがなかった。新しい技術で新しいことができればと思った」と振り返る。
わきやまPさん(31・男性)は、モナコインコミュニティーを通じて「10代の若い技術者さんや異業種の人など、いろんな人と知り合える」ことが魅力と語る。彼は「モナコイン神社」の地主で、ゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ」のキャラ「脇山珠美」の情報を提供してくれた人にモナコインを贈るサービス「脇山珠美価値記録協会」の運営者でもある。
子連れで訪れていたCryptcoin Junkeyさん(47・男性)は、モナコインを使ったトークン発行システム「Monaparty」の開発者だ。「コミュニティーに濃い人がたくさんいて、適度な距離で仲が良い」ことが魅力だ感じている。9歳の息子さんは「モナコインが貯まったら家族で寿司祭りだから、モナコインが好き!」とニコニコだ。
コミュニティーに参加する理由は人それぞれだが、モナコインを愛し、コミュニティーに心地の良さを感じているのは共通項のようだ。
モナコイン経済圏はどれだけ広がるか――。モナコイナー達の“普及活動”は、これからも続きそうだ。
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