ニュース
Qualcomm、Broadcomによる1300億ドルでの買収提案を拒否
Qualcommが、Broadcomからの総額1300億ドルでの買収提案を、企業価値を過小評価しているとして拒否した。Broadcomは引き続き買収に注力するとしている。
米Qualcommは11月13日(現地時間)、同社取締役会が米Broadcomからの買収提案を全会一致で拒否したと発表した。買収案が「Qualcommを著しく過小評価している」としている。
Broadcomからの提案は、Qualcommを1株当たり70ドルと評価し、現金60ドルと10ドル相当のBroadcomの株式で支払うというもので、約250億ドルの負債も合わせると総額1300億ドルに上る見込みだ。1株当たり70ドルというのは、11月2日のQualcommの終値に約28%上乗せした価格だ。
Qualcommのスティーブ・モレンコフCEOは発表文で「半導体業界で、Qualcommほどモバイル、IoT、自動車、エッジコンピューティング分野で優位にある企業はない。これらの魅力的な分野での今後の成長と次世代通信「5G」(第5世代移動通信システム)への移行をリードすることで、われわれは株主のためにさらなる価値を生み出せる自信がある」と語った。
Broadcomはこれを受け、Qualcommの買収に全力を注ぎ続けると発表した。この買収はQualcommの株主にとって最も魅力的な選択肢であり、多くのQualcomm株主から前向きな反応があったとしている。
Broadcomが買収額を引き上げる交渉に入るのか、TOB(株式公開買い付け)による敵対的買収に移行するのかはまだ不明だ。
関連記事
- Broadcom、Qualcommに1300億ドルでの買収提案
Broadcomが、Appleと係争中のQualcommに対し、約1300億ドルでの買収を提案したと発表した。Qualcommはこの提案を検討するとしている。 - Qualcomm、AppleやFTCとの訴訟の影響で90%の減益
AppleやFTCと係争中のQualcommの7〜9月期決算は、売上高は5%減、純利益は89%減だった。売上高減少にはAppleとそのサプライヤーによるライセンス料停止が影響している。 - Qualcomm、iPhoneの中国での製造販売差し止め求めAppleを中国でも提訴
AppleのiPhoneで使われている技術が特許を侵害しているとして、Qualcommが中国でも訴訟を起こし、中国でのiPhoneの製造・販売の差し止めを要求した。両社は米国でも1月から法廷闘争を繰り広げている。 - IntelとAMD、ハイエンドノート向けRadeon載せCoreでNVIDIA対抗
Intelが、AMDのGPU「Radeon」搭載の薄型高性能ノートPC向け新プロセッサを2018年第1四半期に提供すると発表した。NVIDIAが強いゲーマーやコンテンツクリエイター向け市場を狙う。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.