YouTubeの広告掲載基準厳格化、人間によるチェックも
人気YouTuberが不適切なコンテンツを公開して物議を醸したことを受けて、GoogleがYouTube動画に広告を掲載できるパートナープログラムの基準を2月20日からさらに厳格化すると発表した。
米Googleは1月16日(現地時間)、YouTubeユーザーの広告収入を支援する「YouTubeパートナープログラム」(YPP)の基準の厳格化を発表した。2月20日から新基準になる。
YouTubeでは昨年3月、人種差別やイスラム過激派に賛同する内容などの不適切な動画に広告が掲載される問題が物議を醸し、Googleは自動システム改善を約束した。また、1月には人気YouTuberのローガン・ポール氏が富士山麓の樹海で自殺者の遺体とみられるものを撮影した動画をYouTubeに投稿した件をめぐり、批判が高まった。
パートナープログラムの新基準では、プログラムに参加するためには過去12か月間の総再生時間が4000 時間以上、チャンネル登録者数が1000人以上であることが必要となる。
昨年4月の時点では、視聴回数が1万回以上であればプログラムに参加できた(ルールやガイドラインを守ることは大前提)。
現在YPPで収益化できているチャンネルでも、新基準を満たさないところは2月20日から収益がなくなる。
Googleは広告主に対し「もちろん、チャンネルの規模だけではそのチャンネルが広告に適しているかどうかを判断すには不十分だ。コンテンツがポリシーに準拠し、スパムや嫌がらせのようなシグナルを出していないかを厳重に監視する」と説明する。
また、広告主向けの予約型広告商品「Google Preferred」の対象チャンネルの選定に際し、コンテンツが広告ガイドラインに沿っているかどうかを人間がチェックする。これは2月中旬にまず米国でスタートし、3月末までにすべての地域で実施する。
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