ヤフーは1月30日、スマートフォン版「Yahoo!検索」(アプリ・Webブラウザ)の検索結果画面で、国立がん研究センターが提供するがん関連情報の掲載を始めた。がん関連情報をネットで検索する人が多いことを受け、信頼できるがん情報を届ける狙い。
国立がん研究センター用の掲載枠を新たに設け、がんに特化した詳しい情報を提供。各種がんの病名などで検索すると、病気の概要や症状、原因などを検索結果の上部にまとめて表示する。
内閣府の調査(2014年)で、60歳未満の人の半数以上ががんの治療法や病院について「情報源はインターネット」と回答したという。ネット検索で得られるがん治療法のうち、一般的に認められている治療法は半分以下だったという調査結果もあったとし、ネットでの医療情報は信頼性に課題があった。
ネットの医療情報をめぐっては、ディー・エヌ・エー(DeNA)のキュレーションサイト「WELQ」が「内容の信ぴょう性が薄い」「他のメディアから無断転載とみられる内容が多い」との指摘を受け、16年11月末に全記事を非公開に。再開のめどは立っていない
医療情報サイト「ヘルスケア大学」では、17年5月に監修医師の無断登録疑惑や内容に間違いのある記事の指摘があり、未確認の医師情報を一時非公開にすると発表。記事内容を見直し、「指摘を受けた記事は社内で確認がとれ次第、修正する」「指摘を受けていないものについても再度、自社の企業努力として精査する」とした。
「今回の取り組みを通じ、正しい理解、適切な治療へとつなげていきたい」(ヤフー)
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