増収増益のDeNA、ゲーム事業はやや落ち込み 期待の「新規協業タイトル」も
ディー・エヌ・エーが2017年度第3四半期(17年10〜12月)の連結業績を発表。前年同期比では増収増益だったが、主力のゲーム事業は「年末商戦が期待に届かなかった」と営業利益がやや落ち込んだ。しかし好調な任天堂との協業タイトルに新たな動きも。
ディー・エヌ・エー(DeNA)が2月8日に発表した2017年度第3四半期(17年10〜12月)の連結業績は、売上高が328億円(前年同期比2%増)、営業利益が126億円(同265%増)と増収増益だった。主力であるゲーム事業は、売上高が242億円(前年同期比2%増)とほぼ横ばいとなったが、営業利益が57億円(前年同期比7%減)とやや落ち込んだ。「年末商戦が期待に届かなかった」と守安功社長は言う。
特に影響が大きかったのが内製タイトルの「逆転オセロニア」で、これまでは「マーケティングを強化し新規ユーザーを獲得する」というサイクルができていたが、ゲーム業界の“稼ぎ時”である年末に開催したイベントなどが、期待ほど売り上げに寄与しなかったという。「利益に対する転換率が下がっている。今後マーケティングや広告費用について見直しを図る」(守安社長)
12月に配信を始めたオリジナルタイトルのRPG「メギド72」についても、「ユーザー数は多くないが、評価は高い。今後ユーザーをどう拡大するかが重要」(守安社長)とし、今後のアップデートでてこ入れを図る考えだ。
一方で、任天堂との協業タイトルはいずれも好調。「スーパーマリオラン」はダウンロード数、月間アクティブユーザー数(MAU)ともに順調に伸びており、MAUは2000万人前後を維持。「ファイアーエムブレム ヒーローズ」はMAUはもちろん収益も順調に推移しているという。
17年11月に配信を始めた「どうぶつの森 ポケットキャンプ」は女性のアクティブユーザーが多く、「新しいユーザーに楽しんでいただいている」(守安社長)。今後はゲーム内容の追加やイベントの実施で、収益面への貢献を目指すとした。
また、2月1日に任天堂が「開発中」と発表した「マリオカートツアー」が、DeNAとの協業タイトルの1つであることを明らかにした。2018年度の配信を計画しており、詳細は適宜告知するとしている。
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