家庭向け「Office 365」の「OneDrive」に1カ月前の状態にさかのぼれる新機能
Microsoftの「Office 365 Home」および「Office 365 Personal」(米国でのエディション)で、クラウドストレージ「OneDrive」のファイルを破損したりランサムウェア攻撃されたりした際、それ以前の状態に復旧する「Files Restore」が利用できるようになった。
米Microsoftは4月5日(現地時間)、米国で提供している家庭向けOffice 365(「Office 365 Home」および「Office 365 Personal」)のセキュリティに関する複数の新機能を発表した。その一部を紹介する。
OneDriveの状態を30日前までさかのぼれる「Files Restore」
「Files Restore」は、OneDriveに保存しているすべてのファイルの状態を、最長30日前までの状態に戻せる機能。うっかりファイルを削除してしまったり、ファイルが破損してしまったり、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃でロックされてしまったりした場合、この機能を使えば問題発生前の状態に戻せる。
Office 365はユーザーのOneDriveでランサムウェア攻撃があったと判断するとメールやスマートフォンへのプッシュ通知でユーザーに警告する。この警告をクリック(タップ)すると、OneDriveのFiles Restore画面が開き、リカバリ作業できる。
共有ファイルを守る3つの新機能
1つ目は、OneDrive上のファイルやフォルダを共有する際に、ファイルやフォルダのリンクにパスワードをかけられるようになった。
2つ目は、Outlook.comのメール暗号化の新機能。Outlook.comから送信するメールをOutlook以外のメーラーで開く受信者に、メールを開くためのワンタイムパスコードを受け取るか、信頼できるプロバイダーからの再認証を受けるかを選択するOffice 365ページへのリンクが送られる。受信者もOutlookを使っていればこの手間なしに安全にメールを受け取れる。
3つ目は、Outlook.comから送信したメールを相手がコピーしたり転送したりできないようにする機能。添付したOffice文書も暗号化されているので、受信者が添付ファイルだけダウンロードして改めてメールで第三者に送信しても、その文書は開けない。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
この他の新機能については公式ブログを参照されたい。
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