米NVIDIAとソフトバンクグループのAI分野に特化したインキュベーター、ディープコアは4月23日、AI(人工知能)分野の若手起業家育成を目指して協業すると発表した。ディープコアが2018年夏にオープンする会員制のコワーキングスペース「KERNEL(カーネル)」(東京都文京区)をNVIDIAがインフラ提供や技術コンサルティングなどでサポートする。
KERNELでは、AI分野での起業を考えている人やディープラーニング(深層学習)の社会実装に関心がある人などを会員として募集し、企業との共同プロジェクトなどを通じて起業をサポートする。対象は18歳以上の学生または社会人で、現在KERNELのサイトから応募を受け付けている。
KERNELの施設にはNVIDIAの「Volta」をベースにしたGPUを導入する他、AIコンピューティングプラットフォームの運用やディープラーニングの高速化など技術面をNVIDIAがサポート。AI技術について学べるオンデマンド講座やワークショップも実施する。参加者が立ち上げたプロジェクトについては個別の技術コンサルティングも行うとしている。
ディープコア仁木勝雅代表取締役社長は「NVIDIAと共に起業家育成に取り組むことを大変喜ばしく思う。KERNELメンバーに、NVIDIAが支援する最高の環境を提供することで、イノベーションが加速することを確信している」とコメント。
NVIDIAの米国副社長で日本代表でもある大崎真孝氏も「NVIDIAのディープラーニング プラットフォームとDEEPCOREのインキュベーションを組み合わせて日本のAI人材によるスタートアップの立ち上げを加速させ、さまざまな産業でのAI導入の活性化を期待する」としている。
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