Twitter、「行動シグナル」による“荒らし”ツイート表示低下へ 健全性向上の一環で
“荒らし”対策に苦慮するTwitterが、ツイートのコンテキストに結びつく「行動シグナル」で悪意があると判断したツイートの表示を減らす対策を発表した。
米Twitterは5月15日(現地時間)、Twitter上の「会話の健全性」向上対策の一環として、「行動シグナル」の採用を発表した。このシグナルを各ツイートに結びつけることで、会話(ツイートとそのコメント)と検索結果での悪意あるツイートの表示を減らせるとしている。
ジャック・ドーシーCEOは3月、Twitterのポリシーに反したコンテンツの削除だけでは会話の健全性は保てないことを認め、「総合的で公正な解決策を見つけることにコミットする」と語った。
Twitterによると、嫌がらせやハラスメントなど、悪意のあるツイートをすると報告されるアカウントは全アカウントの1%未満で、それらの多くはポリシーに違反していないケースが多いという。
行動シグナルによる表示ランク低下は、このようなポリシーに違反しないものの健全な会話を損なう「荒らし行為」の対策として開発されたものだ。
このシグナルは、ブロックされたことが多いアカウント、同じIPアドレスで多くのアカウントを作っているアカウントの1つ、過去に利用規約やポリシーに違反したことのあるアカウントと関連性が高いアカウントなどからのツイートに結びつけられる。
行動シグナルが付いたツイートは削除されるのではなく、検索結果や会話上での表示率が低くなる。検索結果では、ユーザーがアカウントの検索フィルターの設定で「すべてを表示する」を無効にしていると表示されない(下画像右)。会話では、「返信をさらに表示」をタップしないと表示されない(下画像左)。
テスト段階では、検索結果での悪意あるツイートの報告は4%、会話での報告は8%減少した。
同社は「この結果に勇気づけられるが、健全性向上のための長い道のりの一歩に過ぎないと理解している。今後もサービス全体の健全性とユーザー体験の向上に努める」と語った。
検索フィルターの設定は、現在“ローリングアウト”中だ。
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