シャープが目を付けたのは「猫用IoTトイレ」 ペット事業になぜ参入? 犬のバイタル計測サービスも
シャープがペット事業に参入。健康管理が行える猫用IoTトイレのほか、法人向けに犬用のバイタル計測サービスも始める。
シャープはこのほど、猫の尿の量や回数、滞在時間、体重、周辺の温度などの計測データをクラウド上に蓄積し、スマートフォンから見られる猫用トイレ「ペットケアモニター」を7月30日に発売すると発表した。価格は2万4800円、サービス利用料は月額300円(いずれも税別)。
ペットケアモニターは、猫用のトイレ型IoT健康管理デバイス。計測データをWi-Fi経由でクラウド上にアップロードし、「尿量が多い、少ない」「滞在時間が長い」など、異変を検知すると飼い主の専用アプリ「COCORO PET」(Android、iOS)に通知する。トイレ周辺の室温も計測可能で、猫がトイレに行くのを我慢してしまうという寒さにも飼い主が気付けるとしている。
多頭飼いにも対応。首輪に付けられる個体識別バッジ(別売)を使うと、最大3匹まで猫を識別できる。ペットケアモニター本体とはBluetoothで通信する。価格は3980円(税別)。複数のペットケアモニターを最大3匹で同時に使用することもできるという。
計測データを解析する「異変検知アルゴリズム」は、鳥取大学農学部共同獣医学科の岡本芳晴教授との共同開発。AI(人工知能)技術を活用しているという。
シャープがペット事業に参入したきっかけは、2015年から始めた鳥取大との産学連携だ。同社がAIやIoTを活用した新規事業の考案などで鳥取大とコミュニケーションを続ける中、猫の健康問題をIoTで解決できないかという検討が始まったという。
「スマートホーム化で(家電などが)人に寄り添うような形に変わりつつあるが、犬や猫を室内で飼う人も多く、ペットも家族の一員として大きな存在になっている」(シャープ広報)
法人向けに犬用のバイタル計測サービスもスタート
ペット関連企業や研究機関を対象に、犬特有の心拍変動パターンを独自のアルゴリズムで分析し、犬の緊張やリラックス状態などを示す「自律神経バランス」を数値化するという「犬向けバイタル計測サービス」も7月1日に始める。
ペット関連企業には計測した呼吸数や心拍数のデータを提供するほか、データ解析もサポートする。研究機関には計測システム一式を貸し出す。
独自構造のハーネス型ウェアラブルセンサーを犬に装着することで、剃毛せずに計測できるという。計測データを解析するアルゴリズムは大阪府立大学生命環境科学域との共同開発。
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