ついサボってしまう人に……他人に作業を監視されるアプリ「JAILER」登場 理念は「アルゴリズムと闘え」(3/3 ページ)
仕事や勉強をしなくちゃならないのに、なかなか進まない――そんな悩みを解決してくれそうなサービスが登場した。スマホ越しに他人に作業を監視してもらうアプリ「JAILER」だ。
経営理念は「アルゴリズムと闘え」
同社の経営理念は「アルゴリズムと闘え」だ。プレゼン資料にはこうある。
「社会は今、アルゴリズムに支配されている。あなたの行動は巨大なデータセットの一部となり、無意識のうちに購買行動を操作されている。今こそ、闘おう。本来の自分を取り戻そう」
Web企業は、あらゆる手を使って利用者の行動履歴を獲得し、次の行動をその企業にとって有利な方向にコントロールしようとする。ネット記事を読んでいると、行動履歴に基づく「おすすめ記事」が出てきてついついクリックしてしまうし、通販サイトでは行動履歴に基づいた「おすすめ商品」が表示され、つい購入してしまう。「アルゴリズムが人を支配している」と言えるかもしれない。
「Webサービスやアプリ構築では、ユーザービリティや行動経済学、認知行動学が重視される。企業は『ユーザーを、無意識のうちに操作したい』と思っているということだ。ユーザーが自分で買うと決めた商品が、実は『Webで13回広告を見せられていて、それによって決められていた』というなら気持ち悪い」と、花房さんは言う。
Web企業の絶え間ない“攻撃”に対抗し、人をアルゴリズムから自由にするツールを、ユーザーに渡したいという。「無節操にハックしようとしてくる技術に対抗し、自分の意思でそれを制御できるようにしたい。Web企業が使っている同じテクノロジーで、その攻撃を打ち消したい。アルゴリズムと闘いたい」
中毒性のある情報がまん延する社会で「デジタル生活矯正事業」の展開をもくろむ同社。JAILER以外にも、アルゴリズムに抵抗できる“武器”としてのサービスを提供したいと、花房さんは考えている。
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