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欧州議会、著作権新指令案否決 条項見直し9月に再投票へ
Wikipediaなどが反対していたEUの「DSM著作権指令案」が、7月5日の欧州議会総会で否決された。内容を修正し、9月の総会で再投票する。
欧州連合(EU)の立法議会である欧州議会は7月5日(現地時間)、著作権新指令案についての投票を行った。投票結果は賛成278、反対318、棄権31で指令案は採択されなかった。
この結果、指令案は再度修正され、9月の総会で再投票にかけられることになった。この指令案に反対している独海賊党選出の欧州議会議員ジュリア・レダ氏は自身のTwitterアカウントで「大成功だ。皆さんの抵抗が奏功した」とツイートした。
この指令案に反対していたWikipediaの創業者、ジミー・ウェールズ氏はTwitterで「やった。皆さんのおかげだ。ありがとう」とツイートした。
「copyright in the Digital Single Market(以下「DSM著作権指令案」)」は、メディアによるオンラインコンテンツのスニペットを使う場合、メディアからのライセンス取得を義務付けるというもの。意図は、欧州のパブリッシャーがスニペット表示によって収益を得られるようにすることだが、プラットフォーム企業が著作権料支払いを避けるためにメディアをフィルタする可能性やライセンス不要なフェイクニュースの表示が増える可能性などが指摘されていた。
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