Google、Microsoft、Facebook、Twitterがユーザーデータ移行プロジェクト「DTP」立ち上げ
Twitter、Microsoft、GDPR違反で提訴されているGoogleとFacebookの4社が、ユーザーが自分のデータを安全かつ簡単にサービス間で移行できるようにするためのオープンソースプロジェクト「Data Transfer Project」を立ち上げた。
Google、Microsoft、Facebook、Twitterの4社は7月20日(現地時間)、ユーザーが自分のデータをサービス間で安全かつ簡単に移行できるようにすることを目的としたオープンソースプロジェクト、「Data Transfer Project」(以下、「DTP」)の立ち上げを発表した。
ユーザーに、データをダウンロードして再アップロードする必要なしに、あるサービスから別のサービスに直接データを転送するためのツールを提供していく。
欧州連合(EU)が5月に施行したGDPR(一般データ保護規則)への対応だが、EU以外の地域でも利用可能にする。
Googleは2007年の「Data Liberation」立ち上げ以来、ユーザーデータのインポート・エクスポート機能の充実に取り組んでおり、YouTube、Gmail、Googleフォトなど、ほとんどすべてのサービスのユーザーデータをダウンロードできるようにしている。DTPではダウンロードの手間が省けるようになる。
DTPは4社だけでなく、参加を希望する企業がデータ移行ツールを作れるオープンソースイニシアチブだ。ホワイトペーパーによると、参加企業がユーザーデータを「Data Model」に変換するAPIを構築することで、ユーザーは他の参加企業のサービスに直接データを移行できる。DTPは、Data Modelの標準化を目指している。
既に、写真、メール、連絡先、カレンダー、タスクなどのData Modelのプロトタイプがある。Google、Microsoft、Twitter、Flickr、Instagram、Remember the Milk、Smugmugが公開しているAPIでサービス間でのデータ移行が可能だ。つまり、例えばFlickerの写真を直接Instagramに移行できるということだ。Data ModelやAPIを含む関連資料はGitHubで公開されている。詳細はプロジェクトサイトにもまとめられている。
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