“実写にしか見えない”3DCG女子高生「Saya」にそっくりな“本物の女性” 「正直、叩かれると思っていました」(2/2 ページ)
3DCGの女子高生キャラクター「Saya」に、現実世界でそっくりな“本物の女性”が現れ、ネット上をざわつかせた。その人は、モデルの高山沙織さん。高山さんはこれまでも“美女アンドロイド”として注目を集めてきた。高山さんはアンドロイド役を演じ、何を感じたのか。
しかし投稿した写真付きのツイートは、予想以上の反響を呼んだ。「正直、叩かれると思っていました。Sayaは万人受けするくらいかわいくて、若いじゃないですか」
反響を受け、プロのカメラマンに撮影してもらった写真も公開した。よりSayaに似せようと、表情を柔らかく、凛とした目線を意識したという。
「アニメキャラクターのコスプレだと、(写真の編集時に)肌のアラが目立たないように光を明るくしたりするかもしれませんが、Sayaは陰や隈などを残しました。Sayaは『ナチュラルすぎる』ので、寄せるのが難しいです」
アンドロイドに「共感した」
高山さんのモデル人生は、東京ゲームショウ2017をきっかけに変わった。ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア(SIEJA)の展示ブースで、ゲーム「Detroit: Become Human」に登場するアンドロイドを演じたところ、ネット上では「アンドロイド? 人間?」とパニックに陥る声が続出した。
演じている間、高山さんの感情は「無」だったという。「笑顔を作らないで、何も考えずに演じ続けました」。大きく笑うことはしない。歯を見せることもしない。無機質に思えるが、決して無表情ではない。まれに口角を上げ、ぎこちなく手を振る。そんな姿が来場者の足を止めた。
「モデル人生が一変しました。知名度は全然ありませんでしたが、オファーをもらえるようになりました」(高山さん)
一方、アンドロイドに「共感した」こともあった。高山さんが演じたアンドロイドを撮影した動画には、ネットユーザーから匿名のコメントが相次いだ。「結構、心無い言葉も並びました。(アンドロイドという)相手に感情が存在しない体なら、何を言っても許されると思っていたのかもしれません」と高山さんは振り返る。
「『買いたい』と気軽に投稿されたコメントを見て、『私は人間なのに』と感じました。モノとして扱われるコメントを眺めて、アンドロイドに共感するところもありました」
Detroit: Become Humanは、アンドロイドによって職を奪われた人間たちの間で、反アンドロイド感情が高まる――という2038年の世界を描いたゲームだ。「アンドロイドが雑に扱われる。壊れても修理すればいい、何を言っても傷つかない。かわいそう」。高山さんは、アンドロイドに共感していた。
「アンドロイドと呼ばれることに、そんなに嫌な気はしませんでした」と高山さんは笑う。「(アンドロイドは)整った顔をベースにして作られていますし、『アンドロイドみたいだよね』は、そこまで嫌な言葉ではありませんでした」
ただ、高山さんは「人前にさらされて、微動だにせず、アンドロイドは大変ですよね」とつぶやいた。
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