「STOP!海賊版」ルフィなど呼び掛け 出版各社が協働、実態やリスク詳しく解説
海賊版サイトを利用したり広めたりしないよう、読者に呼び掛けるキャンペーン「STOP!海賊版」が、出版各社協働でスタート。海賊版サイトの実態や、利用した場合のリスクなどを説明する特設サイトも。
著作権者や出版社に無断で漫画を掲載する海賊版サイトを利用したり広めたりしないよう、読者に呼び掛けるキャンペーン「STOP!海賊版」を8月1日、出版関連団体をとりまとめる出版広報センター(センター長:集英社の堀内丸恵社長)が始めた。海賊版サイトの実態や、利用した場合のリスクなどを説明する特設サイトを用意。集英社、小学館、講談社、KADOKAWAの人気漫画キャラをあしらった啓発画像も用意した。
啓発画像では、「ONE PIECE」のルフィや「名探偵コナン」のコナンなど人気漫画のキャラクターが「STOP!海賊版」と呼び掛けており、各社が漫画誌の公式Twitterなどで告知している。
「海賊版サイトの存在を許せば、クリエイターの方々の生活が成り立たなくなり、マンガ文化そのものが衰退してしまう」――出版広報センターはこう訴える。
同センターは、「海賊版サイトは広告収入や一部ユーザーからの会費によって莫大な利益を上げているにも関わらず、クリエイターの収入に一切貢献していない。逆に、書店や電子書店、出版社の売り上げが激減し、クリエイターの収入もまた激減している」と指摘。
海賊版サイトの具体例として、「漫画村」による被害額は3200億円(コンテンツ海外流通促進機構による試算)、「はるか夢の址」による被害額は731億円(コンピュータソフトウェア著作権協会調べ)などと挙げ、「海賊版の被害は甚大」と訴える。
その上で、海賊版サイトの類型として「オンラインリーディングサイト」や「リーチサイト」「動画投稿サイト」など具体例を挙げ、それぞれの特徴や、利用した場合のユーザーのリスクなどを解説している。
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