マスクCEO、「Teslaはやはり上場企業のままに」と非公開化断念を説明
Teslaのイーロン・マスクCEOが、8月初旬にツイートした非公開化のアイデアを取り下げるとTeslaの公式ブログで発表した。多くの話し合いや徹底的な検討の結果、上場企業のままでいる方がいいと判断したとしている。
米Teslaのイーロン・マスクCEOは8月24日金曜日の夜(現地時間)、Teslaを上場企業のまま経営していくと公式ブログで発表した。
同氏は7日、自身のTwitterアカウントで「Teslaの株式を1株当たり420ドルで非公開化しようかと検討している。資金は確保した」とツイートしたが、「その後、多くのステークホルダーとの話し合いや徹底的な検討の結果」、「Teslaは上場企業のままである方がよいと確信した」という。
同日、マスク氏の非上場化についてのアイデアを検討するために取締役会が組織した特別委員会は別途声明文を発表し、マスク氏からの非公開化中止の申し出を受けて特別委員会を解散し、「Teslaを前進させるイーロン(マスク氏)を全面的にサポートしていく」と語った。
マスク氏は、非公開化についてのフィードバックで、現在の株主のほとんどが上場企業である方がいいと考えていることが分かり、機関投資家からはコンプライアンスの問題で非公開企業への投資は制限されると説明されたと語った。「私が話し合った株主の多くは、Teslaが非公開化しても株は保有すると言ってくれたが、気持ち的には『それはやめて』だった」という。
また、非公開化は困難だとは思っていたが、Goldman SachsやMorgan Stanleyの専門家とともに検討した結果、思った以上に時間がかかり、混乱も招くことが分かり、「Model 3」を軌道に乗せて収益化する必要がある今実行するのは問題だと説明した。
「財政的に持続可能でなければ、持続可能なエネルギーを推進するというわれわれの使命を果たせない」とマスク氏。同社の4〜6月期の純損失は過去最大の7億4300万ドルだった。
マスク氏が非公開化のアイデアを個人のTwitterアカウントでツイートしたことについては、情報開示の方法に問題がある可能性があるとして米証券取引委員会(SEC)が調査していると米New York Timesなどが報じている。
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