商品や飲食店のレビュー投稿でコイン付与 LINEが独自ブロックチェーンで5つの新サービス
LINEが、独自開発のブロックチェーンネットワーク「LINK Chain」上で展開する分散型サービス5つを順次提供すると発表した。ユーザーはレビューサービスやQ&Aサービスに投稿することで「LINK Point」というコインを入手できる。
LINEは9月27日、同社が開発した独自のブロックチェーンネットワーク「LINK Chain」上で展開する5つの分散型サービス(dApps)を、2019年3月までに順次公開すると発表した。商品や飲食店のレビューなど、ユーザーの投稿やコメントなどを促すもので、ユーザーにはサービスへの貢献度などに応じてLINK Chainで発行した「LINK Point」という暗号通貨を付与する計画だ。LINK PointはLINEポイントと交換できる。
同社の出澤剛社長は「ユーザーはコンテンツの消費者だけでなく、SNSや口コミなどのコンテンツ生産者にもなっている。本来サービスに貢献したユーザーには金銭的な還元がなされるべきだが、そうした取り組みは多くない。ユーザーとサービスがWin-Winで成長して果実を分かち合う仕組みを作ることができれば、質の高いサービスを作り出していくことができるのではないか」と話す。
提供を予定しているのは、知識共有のためのQ&Aサービス「Wizball」、未来に起こることを予想して楽しむ「4CAST」、身の回りにある商品の口コミレビュー「Pasha」、グルメレビューの「TAPAS」、旅行情報SNS「STEP」(仮)の5つ。
Wizballでは、ユーザーは質問者、回答者、質問や回答を評価する投票者として参加することでLINK Pointを入手できる。投稿された質問や回答を評価し、適切な報酬を得られるようにすることで、ユーザーから専門性の高い回答を継続的に提供してもらう狙いがあるという。IT、医療、健康などのジャンルではWizball認定の専門家が150人以上参加する計画だ。現在、Webブラウザで利用できるβ版を一部ユーザーに提供しているが、10月下旬にはスマホアプリをリリース予定。
4CASTはLINEが出題する「日本カー・オブ・ザ・イヤー1位に輝く車は?」「第42回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞するのはどの作品か?」などの答えをユーザーが予想し、回答・投票するサービスで、正解したユーザーに報酬を与える仕組み。現在スマホブラウザ向けのβ版を提供している。
Pashaはスマホを活用する商品レビューサービス。調べたい商品をスマホで撮影するだけで商品を認識し、データベースからユーザーが投稿したレビューを検索できる。レビューを投稿したり、データベースに登録されていない商品を手動で登録したりすることでLINK Pointを入手できる。2018年に提供予定。
Pashaの仕組みを横展開して「TAPAS」という飲食店レビューサービスも2018年に提供予定。実際に店で飲食した時のレシートをスマホカメラで読み取ると、店名やメニュー名、メニューの価格などを認識してレビュー欄に自動入力してくれるため、メニューごとにレビューを書いたり、来店していない人によるレビューを防いだりすることができるという。
同じく2018年に提供予定の「STEP」(仮)は、レジャーや旅行で訪れた場所の写真を位置情報やタグと一緒にアップするSNS。自分の投稿は「BOOK」という単位でまとめ、他のユーザーに公開することができ、閲覧数が増えれば増えるほどインセンティブとしてLINK Pointが受け取れるという。
LINK Pointの交換レートは、1LINK Pointあたり500LINEポイント。LINK PointからLINEポイントへの一方向のみ交換可能で、LINEポイントをLINK Pointに交換することはできない。また、以上の点などからLINEはLINK Pointを資金決済法で定める「仮想通貨」には当たらないものとして運用していく方針だ。
一方で同社は海外向けにLINK Pointと同じブロックチェーンを使って「LINK」という仮想通貨を発行している。こちらは10月16日から仮想通貨交換サービス「BITBOX」での取り扱いを開始し、同サービスで扱う他の仮想通貨と交換可能にする計画だ。
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