「過去一番のヒット」 サイバー藤田社長、任天堂と開発したスマホゲーム「ドラガリアロスト」に期待
サイバーエージェントが2018年度通期決算を発表した。任天堂と共同開発したスマートフォンゲーム「ドラガリアロスト」は、同社史上「過去一番のヒット」としており、ゲーム事業は引き続き期待が持てるという。
「あらゆる指標で過去一番のヒットだ」――サイバーエージェントの藤田晋社長は10月25日、同社の通期決算説明会で、任天堂と共同開発したスマートフォンゲーム「ドラガリアロスト」について、こう語った。今年9月にリリースしたばかりだが、「売上、DAU(日間アクティブユーザー)など、あらゆる指標で過去最高」(藤田社長)とし、「来期の収益に貢献してくれるはず」と期待を寄せる。
サイバーエージェントが同日発表した2018年度通期連結業績(17年10月〜18年9月)は、売上高が4195億円(前年比13.0%増)、営業利益が301億円(同1.8%減)、純利益が48億円(同20.5%増)と増収増益だった。そのうちゲーム事業の売上高は1465億円。2月に投入した「プリンセスコネクト!Re:Dive」のヒットが貢献した。
ゲーム事業では、9月にリリースした任天堂との共同開発タイトル「ドラガリアロスト」の今後に注目が集まる。「ゲーム事業は、市場が横ばいの中で売上を伸ばせているので底力がある。ドラガリアロストでさらなる成長が見込める」(藤田社長)
広告事業も堅調 AbemaTVの売上高は3倍に
「順調に拡大している」(藤田社長)とする広告事業は、売上高が2414億円(同16.0%増)、営業利益が213億円(同14.0%増)だった。今年は、AI(人工知能)技術を活用した広告を提供するCYPARや、バーチャルYouTuber(VTuber)のマネジメント事業に特化したCyberVなど、新会社5社を設立。広告事業のさらなる拡大を図る。
通期で約200億円を投資したインターネットテレビ局「AbemaTV」は、開局2年半でアプリが3400万ダウンロードを突破し、WAU(週間アクティブユーザー数)は600万超、ユーザーの総視聴時間は5348万時間(18年9月時点)と堅調に推移しているという。売上高は63億円と、前年の19億円に比べて約3倍伸びた。
藤田社長は「有料プラン『Abemaプレミアム』(月額960円、税込)が順調に伸びている」とし、「Abema TVの売上は、広告と月額課金が3対1の構成。タイムシフト機能や会員限定コンテンツなどに課金したいと思うユーザーが増えている」と説明した。
AbemaTVは、今年10月に電通、博報堂DYメディアパートナーズとの資本業務提携を発表。AbemaTVの広告拡販やコンテンツ調達を強化し、さらなる売上増を見込む。
19年度の業績は、売上高4700億円(前年比12.0%増)、営業利益300億円、純利益50億円になる見通し。好調な広告事業とゲーム事業で収益を見込みつつ、引き続き「AbemaTV」に年間200億円を投資する。「Abema TVは、レギュラー番組は安定しているが、最近はこれまでのように目立つ特番を配信できていない。話題になる番組を提供したい」(藤田社長)
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