「リアル店舗の強み生かす」 中古車売買のガリバー、個人間カーシェアに参入
中古車売買のガリバーが、個人間カーシェアに参入。全国550超の店舗を生かし、利用者が安心してカーシェアを利用できるようサポートするという。
中古車販売店「ガリバー」を運営するIDOM(東京都千代田区)は11月16日、スマートフォン向け個人間カーシェアサービス「GO2GO」(ゴーツーゴー)を2019年4月から提供すると発表した。全国550超の店舗を生かし、鍵の受け渡しなどを代行することでカーシェアを利用するハードルを下げる狙い。11月27日に公開する公式サイトで詳細を案内する。
クルマを貸したい人は、専用のスマートフォンアプリで会員情報やクルマの情報を登録(登録は無料)。任意の使用料金を設定する。クルマを借りたい人はアプリから予約し、取引が成立したらクルマの受け渡しを行う。運転後はユーザー間でお互いをレビュー、使用料金は翌月末にクルマ所有者の口座に振り込まれる。
利用時間は3時間から。ドライバーは1日単位の自動車保険に加入する必要がある。乗用車だけでなく、貨物やキャンピングカーも保険対象。決済方法はクレジットカード。所有者はクルマを貸しだすたびに手数料20%が掛かる。
サービス開始時の提供エリアは東京、神奈川、大阪、埼玉、千葉。エリアは順次拡大する。
「売買、シェア。クルマ体験をシームレスに」
IDOMでCaaSプラットフォーム事業の責任者を担う天野博之さん(経営戦略室 兼 CaaS事業部)は、「日本国内で所有されるクルマの台数とカーシェアの車両登録台数には大きな開きがあるのが現状。これを埋めるにはどんな課題があるかを考えたときに、安心や安全、使いやすさが重要と考えた」と話す。
天野さんは「全国550超ある店舗を活用することで、利用者の不安を取り除ける」と強調する。対面が義務付けられている鍵の受け渡しの代行や、車両メンテナンスなどのサポート全般を行うという。利用者が安心できるよう、ユーザー間の相互レビューシステムや、運転データの取得、カーシェアリング専用保険も提供する。
「何か不安がある人は店舗に頼ることができるのが強み。将来的にはスマートロックを使った無人の鍵の受け渡しもできるよう検討している」(天野さん)
同社が提供するクルマ向けフリマアプリ「ガリバーフリマ」や、月額定額制のクルマ乗り換え放題サービス「NOREL」との相乗効果も狙う。例えばガリバーフリマで購入した中古車をGO2GOで貸し出すといったことも考えられるという。
天野さんは「中古車売買をコア事業に置きつつ、将来的にはアプリ1つでクルマの売買、貸し借りをシームレスに行えるようにしていきたい」と展望を語った。
個人間カーシェアサービスは、ディー・エヌ・エーの「Anyca」や、NTTドコモの「dカーシェア」などが先行している。
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まず横浜市でスタートし、対象範囲を順次拡大するという。
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