実物大ガンダム、歩く可能性も “夢のプロジェクト”実現へ、ロボット研究者ら集結(2/2 ページ)
全高18メートルの実物大ガンダムを実際に動かす――そんな壮大なプロジェクトを実現するべく、ロボット研究者らが集結。2020年夏、その夢が実現される予定だ。
ガンダムは歩くかもしれない
プロジェクトでは世界中からアイデアを公募。1次応募を経て新たに4人のメンバーが追加された。この4人中3人が「ロボットの歩行」に関するアイデアを提案している。もしかしたら、実物大ガンダムは歩くのかもしれない。
公募で受賞対象となったアイデアは、奈良先端科学技術大学院大学の金子裕哉さんの「ガンダムとザクに相撲をとらせて四脚にした自立歩行」、龍華科技大学 非常勤助教授チェン・ミンスンさんの「人間らしく歩行するロボットの擬人化設計」、ロボットの設計・製作を行うロボフューチャーの木原由光さんによる「外部動力供給式軽量型ガンダム独立歩行システム」など。
東京大学の岡田慧准教授(情報システム工学)は「ガンダム・リサーチ・オープンプラットフォームの開発」を提案。世界中の人々が自由にロボット開発のシミュレーションができるプラットフォームを開発中で、プロジェクトの公式サイトでも詳細を案内する予定だ。
2次公募では受賞アイデアこそ出なかったものの、優秀だったアイデアを佳作として選出。ソフトウェア・ハードウェア開発を行うtn-works(北海道札幌市)代表 永井拓史さんの「電源ゼロを目指した稼働システムの開発」、喫茶店を経営しながら美術系Webサイト制作などを行っている大井隆広さんの「高圧バルーン構造磁力浮遊式歩行システム」が選ばれた。
「究極のエンターテインメント」実現へ
11月21日にサンライズなどが都内で開いた発表会では、プロジェクトへの意気込みが語られた。サンライズの宮河泰夫社長は「ガンダムの持つ豊かな世界観が、プロジェクト参加者たちの想像力と情熱の元になっている。夢が現実に。そして現実が新しい夢を作り出す。これこそが究極のエンターテインメント」と語った。
横浜市長の林文子さんも「世界中のクリエイター、エンジニア、技術者の英知を集結させたプロジェクト。20年には五輪も開催され、多くの観光客が訪れる。横浜の景観を360度見渡せる場所で、多くの人に満足してもらえるものにする」と期待を寄せる。
ちなみに、現在お台場に立っている「ユニコーンガンダム立像」は、プロジェクションマッピングの他、デストロイモードへの変形も実現している。デストロイモードへの変形は、約1分間で全身50カ所以上を発光させつつ、膝、腰、肩のパーツが開き、顔が入れ替わって角(アンテナ)が開くというもの。これらの実績から、ガンダムファンの間でも次は「歩く」ことへの期待が高まっている。
「こいつ……動くぞ!」
2020年の横浜で、このせりふを叫ぶべきときが来るかもしれない。
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