Facebookの退社予定の幹部、Definers問題について謝罪「責任は自分にある」
New York Timesに社内問題を暴露されたFacebookの幹部、エリオット・シュレージ氏が、従業員宛書簡でこの記事について説明し、責任は自分にあると語った。シュレージ氏は間もなく退社する。
米Facebookは11月21日(現地時間)、14日にNew York Timesが掲載した社内問題暴露記事で明るみに出た米コンサルタント企業Definers Public Affairs(以下、Definers)による活動について説明する幹部から全社に当てた書簡を公開した。
この書簡は、同社で広報および公共活動担当副社長を務めるエリオット・シュレージ氏によるもの。同氏は米Googleで約8年間グローバルコミュニケーション/広報担当副社長を務めた後、2008年にFacebook入りし、今年の6月に退社すると自身のFacebook投稿で発表している。
New York Timesは、FacebookがDefinersを雇い、競合企業や自社に批判的な個人を中傷するキャンペーンを展開させたとしている。その個人にはユダヤ人の投資家、ジョージ・ソロス氏も含まれるという。ソロス氏は今年のダボス会議で、FacebookをGoogleと共に名指しで批判した。
シュレージ氏は従業員に対し、「Definersとの関係について、多くの皆さんから質問を受けた。皆さんがホリデーシーズンの休暇に入る前に、これまでに分かったことについて説明する」と語り、Definersを雇った目的、Facebookが同社に依頼したこと、Definersが実際にやったこと、誰に責任があったか、突然契約を打ち切ったのはなぜか、などを項目を立てて説明した。
大筋は15日にマーク・ザッカーバーグCEOが投稿した説明と同じだ。Definersを雇ったのは、Facebookへのロシア介入について発表した2017年9月以降、政府にFacebookを規制させようとする競合やメディアからの圧力が高まったことを受け、共和党と民主党の双方と関連する企業を複数雇い、Definersはそのうちの共和党系の1社だった。
FacebookはDefinersにFacebookを守るための、調査や文書作成、メディアとの接触を依頼した。Definersのプロジェクトは次第に多くなり、Facebook内部の人間が完全に把握できない状態になっていたという。
ソロス氏については、同氏がFacebookに批判的な団体「Freedom from Facebook」を支援していることを記事化させたことは認めたが、それはこの団体の活動が“草の根”的な自発的なものではなく、ソロス氏の支援によるものであることを明らかにするためだったという。
競合への攻撃については、不公平な批判をする相手に対応するようDefinersに依頼したとしている。フェイクニュースを書くように依頼したことはないとしている。
Definersの行為についてはコミュニケーションチームのリーダーである自分に責任があり、ザッカーバーグ氏とシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)はこの件について知らなかったとシュレージ氏は書いている。
New York Timesの記事が出た直後にDefinersとの契約を打ち切ったのは、ザッカーバーグ氏が記事で初めてDefinersのことを知り、「Facebookはミッションに従う企業であり、より高度なスタンダードに従って欲しいと願った」からという。
シュレージ氏の退社時期は明らかになっていないが、同氏はこの書簡の最後に、「マーク(ザッカーバーグ氏)とシェリル(サンドバーグ氏)がこの問題についてのレビューをニック・クレッグに依頼した」と書いた。Facebookは10月、シュレージ氏の後任としてクレッグ氏を起用すると発表している。
この書簡の下には、サンドバーグ氏によるコメントが追加されている。同氏はDefinersについてはNew York Timesの記事を読むまでほとんど把握していなかったと繰り返し、自分もユダヤ人ということもあり、ソロス氏に対して反ユダヤ的な批判をすることはあり得ないと語った。
サンドバーグ氏はザッカーバーグ氏による15日の投稿にはコメントしていない。ザッカーバーグ氏はシュレージ氏の書簡にコメントしていない。これまでザッカーバーグ氏とサンドバーグ氏は互いのFacebook投稿に「いいね!」してきたが、この件についての投稿には双方ともいいね!やコメントを付けていない。
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