Googler、「Project Dragonfly」抗議のための「スト基金」立ち上げ 数時間で20万ドル超
Googleが内外に秘密裏に進めていた中国政府公認検閲付き検索サービスプロジェクト「Project Dragonfly」に抗議する従業員が「スト基金」を立ち上げたところ、数時間で20万ドルを超えた。
米Googleが内外に秘密裏に進めていた中国政府公認検閲付き検索サービスプロジェクト「Project Dragonfly」について、米The Interceptが11月29日(現地時間)、新たな暴露記事を公開した。
この記事では、同社の中国担当責任者であるスコット・ビューモント副社長を中心とする関係幹部が、本来は必要なセキュリティ&プライバシーチームによるプロジェクト評価をさせず、プロジェクト内の従業員を厳しく管理していたことなどを、4人の従業員および元従業員の話に基づいて詳解している。
同社に約10年務めるエンジニアのリズ・フォン・ジョーンズ氏はこの記事公開後、Project Dragonflyに抗議するためにストライキする従業員のための10万ドルの「スト基金」を立ち上げたとツイートした。数時間後には、従業員や元従業員からの支援で基金は20万ドル(約2260万円)を超えた。
Dragonflyに抗議するために8月に同社を辞めたジャック・ポールソン氏は米CNBCに対し、「テクノロジー業界の従業員は組織力に気づき始めた。Google幹部に説明責任を果たさせるための取り組みのために資金を投じることを誇りに思う」と語った。同氏はスト基金に1万ドル寄付した。
Googleの広報担当者はCNBCに対し、このプロジェクトも最終的にはプライバシー&セキュリティチームのレビューを受けることになっており、そのプロセスを飛ばすことは決してないとコメントした。
Project Dragonflyについては、The Interceptが8月に最初に報じた。ほとんどの従業員がこのプロジェクトについて知らす、報道後に大規模な抗議署名運動が発生。スンダー・ピチャイCEOは全社会議で「まだプロジェクトは初期段階」と説明していた。この全社会議は、参加者が密かにライブ配信していることが発覚し、中断されてしまった。
11月27日には国際人権団体アムネスティ・インターナショナルがプロジェクトに抗議する署名運動を開始し、多くのGoogle従業員が署名している。
Googleでは毎週木曜日に全社会議が開催される。29日には幹部から何らかのコメントがありそうだ。ジョーンズ氏は、「今度はリークしないでね」とツイートした。
関連記事
- Google従業員、「Project Dragonfly」中止を求めるアムネスティの署名に参加 各国オフィス前で反対デモ発生
Googleの一部の従業員が、Googleが「Project Dragonfly」のコードネームで進めている政府による検閲やフィルタリングを可能にする検索サービスの中止を求める書簡を公開し、Twitterアカウント「@DropDragonfly」でキャンペーンを展開している。 - アムネスティ、Googleに中国向け検索サービス「Project Dragonfly」中止を求める署名運動開始
Googleが開発中とみられる中国政府によるフィルタリングや検閲を可能にする検索サービス「Project Dragonfly」に反対する署名運動を、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが開始した。 - Googleは「邪悪な」検閲付き検索で中国に進出するのか?
米国防省へのAI技術提供に続いて中国での検閲付き検索サービス提供計画発覚で揺れるGoogle社内。問題を話し合うはずだった全社ミーティングは外部レポーターへのリアルタイムリークにより中断されてしまいました。 - Googleの従業員、中国での“検閲版”検索サービス「Dragonfly」反対署名運動
Googleが中国での“検閲版”検索サービスを秘密裏に進めているという報道を受け、同社従業員が幹部の倫理を問う署名運動を展開。1400人以上が署名したとNew York Timesが報じた。 - Google、中国でグレートファイアウォール対応検索サービス「Dragonfly(コード名)」を準備中か
中国政府の検閲に反発し、事実上中国本土での検索サービス提供を停止していたGoogleが、中国政府による検閲・フィルタリングに準拠した検索アプリを早ければ半年後に提供するとThe Independetが報じた。 - #GoogleWalkout が、Googleにもたらすもの
Googleの従業員の約2割に当たる2万人が11月1日、セクハラや不正行為への不適切な対応や不透明性に抗議する#GoogleWalkoutデモを実施。ピチャイCEOは改善を検討すると約束しました。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.