“PayPay祭り”で、わたしが得たものと失ったもの(3/3 ページ)
「PayPay」で決済すると20%還元が受けられるキャンペーンが話題だ。早速、PayPayを使ってiPadを買った筆者。得たものと失ったものとは?
筆者の自宅近くでPayPayに対応している店はファミリーマートしかないが、コンビニで使い切るには時間がかかりそうだし、筆者はファミマよりセブン-イレブンの方が好きだ。家電の買い物は普段、Amazon.comかヨドバシカメラで行っているのだが、これらの店ではPayPayは使えないから、しばらくはビックカメラで買うことになるだろう。PayPayを持っていない時は、コンビニも家電量販店も自由に選んでいたのに、“お得な還元”を受けてしまっただけに行動が縛られてしまい、店を選ぶ自由度を失ってしまった。
さらに筆者は、PayPayにワイモバイルの携帯電話情報とYahoo!アカウントをひも付けている。PayPayを使った筆者の購買行動は、ワイモバイルやYahoo!JAPANでの行動履歴が組み合わさり、ソフトバンクやヤフーに把握され、マーケティングに活用されるのだろう。もらった2万6000円分の電子マネーはその対価と言えるかもしれない。これは高いのか、安いのか。電子決済が進むと、企業に自分の購買行動を逐一知られてしまうリスクが上がることを改めて実感した。
Google Home miniは、家に持ち帰って後悔した。ピンク色のスマートスピーカーは、どの部屋にも似合わなかった。
キャンペーンは成功か
ただ、話題のバーコード決済を体験できたのは良かったと思う。筆者のように、今回のキャンペーンをきっかけに初めてバーコード決済やモバイル決済に興味を持ち、使ってみた人は多いのではないか。そういう意味では、今回のキャンペーンは成功したと言えそうだ。
モバイル決済は、銀行口座やクレジットカードを決済アプリとひも付ける必要があるなど、始めるためのハードルが高いが、20%還元という特典は、そのハードルを取り払うのに十分だった。一度モバイル決済を使えば抵抗感は薄れ、PayPay以外のモバイル決済を試してみようと考える人も増えそうだ。
また、高確率の全額還元を提供した結果、還元された画面のキャプチャーをTwitterにアップして自慢する人が多数現れた。高額還元の投稿は多数リツイートされるなど、ユーザーが勝手に宣伝し、拡散してくれる効果も生まれ、PayPayは4日、ほぼ一日中Twitterのトレンドに。昼ごろには、PayPayが利用できなくなる障害が起きたが、この障害はNHKニュースで報道されるなど、ネット上だけでなくマスメディアでも取り上げられ、知名度はかなり高まった。
今回のキャンペーンは、「PayPayの利用者数を増やす」「PayPayの知名度を上げる」「モバイル決済を使ってもらい、市場を広げる」といったことには成功しているのではないか。100億円という巨大な費用に見合う効果かは分からないが。
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