Appleの「マップ」をプライバシー重視の検索サービスDuckDuckGoが採用
「あなたを追跡しない検索エンジン」を謳うDuckDuckGoが、モバイルアプリとWeb検索の検索結果で表示する地図としてAppleの「マップ」を採用した。Appleの「MapKit JS」(β)で地図を表示している。
「あなたを追跡しない検索エンジン」を謳う米DuckDuckGoは1月15日(現地時間)、モバイルアプリおよびWebサービスでの位置情報関連検索結果で、米Appleの「MapKit JS」(β)を採用したと発表した。「Apple MapKit JSを採用した最初のグローバル企業の1つとして、Appleによる衛星画像や継続的にアップデートされる地図をユーザーに提供する」としている。
MapKit JSは、Appleが昨年6月に発表した地図情報フレームワーク。β段階の現在、1カ月当たり25万件までの地図の埋め込みが無料で行え、1日当たりのAPIキーの呼び出しは2万5000回までだ。
DuckDuckGoは、米GoogleのGoogle検索とは異なり、ユーザーの情報収集をしないことを強調している。広告は表示されるが、検索履歴を広告主に販売することもない。Apple MapKit JSの採用に当たっては、「Appleと緊密に協力している」が、「IPアドレスなどの個人を特定できる情報をAppleに送信することはない」という。地域情報検索の場合はWebブラウザがGoogleにおおよその位置情報を送信するが、検索でその情報を利用した後すぐに破棄するとしている(詳細説明)。
DuckDuckGoはこれまで、マップはオープンソースのOpenStreetMapを利用していた。[設定]の「地図に使うサードパーティーソース」でGoogleやBingを指定することも可能だった。現在はここでGoogleマップを指定しても、検索結果にはAppleのマップが表示されるようになった。地図以外のショップ情報などは、従来通り米Yelpのものが表示される。
関連記事
- Google、検索など各サービス内でアクティビティの確認・削除を可能に
Googleがユーザーによる個人情報管理方法の改善の一環として、Google検索での履歴をその場で確認・削除できるようにした。今後Googleマップなど他のサービスでも可能にしていく計画だ。 - AppleのクックCEO、プライバシー国際会議で“個人データの武器化”に警鐘
Appleのティム・クックCEOがEUのデータ保護プライバシー・コミッショナー国際会議(ICDPPC)で基調講演を行い、企業が集める個人情報が悪人や政府による武器に変えられていると主張した。同氏はEUのGDPRを支持し、米国を含む世界がこれに追随するべきだと語った。 - 進化するAppleの地図 その中身が明らかに
Appleは、マップに関して、来年からアメリカの一部地域で独自のデータから構築された、より詳細な地図を展開すると明らかにした。 - ユーザーを追跡しない検索エンジンを搭載したブラウザー プライバシーを重視する人に――「DuckDuckGo」
「DuckDuckGo」は、ユーザー情報が蓄積されない検索エンジンです。プライバシーを重視する人におすすめです。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.