ドイツ政府がFacebookに個人情報収集制限を命令 Facebookは不服申し立てへ
独カルテル庁が、市場を支配するFacebookがWhatsAppとInstagram、Facebook外のWebサイトのユーザーデータをユーザーの明確な同意なしにFacebookアカウントに割り当てているのは適切ではないとして、制限を命じた。Facebookは上訴するとしている。
ドイツ連邦カルテル庁(Bundeskartellamt)は2月7日(現地時間)、米Facebookが市場での支配的な地位を悪用し、ユーザーの同意なしにデータを収集していたとして、同社にユーザーデータの収集を制限するよう命じた。
ユーザーの同意なしに傘下のWhatsAppおよびInstagram、Facebook以外のWebサイトで収集したユーザーデータをFacebookアカウントに割り当てることを禁止する。
同庁は、Facebookが利用規約で、上記のようなFacebook外でのユーザーデータをFacebookアカウントに割り当てることを前提としてサービスを利用させていると指摘。これにより、同社がユーザーごとに強力な固有のデータベースを構築し、市場シェア拡大に利用していると説明する。
同庁は「Facebookの市場支配力を考慮すると、この利用規約は適切ではない。(データ収集に同意するか、サービスを使わないかという)現行の利用規約によるユーザーの選択を自発的同意を呼ぶことはできない」としている。Facebookの利用規約およびユーザーデータを収集する方法とその範囲は、欧州のデータ保護規則に違反していると同庁は主張する。
Facebookは4カ月以内にデータ収集に際して明確にユーザーの同意を得るよう規約を修正する必要がある。Facebookが従わない場合、カルテル庁はFacebookの世界での年間売上高の最大1割に当たる制裁金を科す可能性がある。
この決定はまだ最終的なものではなく、Facebookはデュッセルドルフ高等地裁に上訴する権利がある。
Facebookは同日、「Why We Disagree With the Bundeskartellamt(われわれはなぜ独カルテル庁に反論するのか」という発表文を公開し、上訴する意向を示した。
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