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写真で見る「はやぶさ2」の旅路(3/3 ページ)
地球から約3億キロの彼方にある小惑星「リュウグウ」に、探査機「はやぶさ2」が2月22日朝、タッチダウン(最初の着陸)を行う予定だ。2014年12月の打ち上げから約4年間にわたる旅路を、はやぶさ2が撮影した写真とともに振り返る。
半径3メートルを狙う
9月22日ごろには、はやぶさ2が搭載していた小型ローバ「MINERVA-II1」(ミネルバ・ツー・ワン)がリュウグウ表面に着地。小惑星表面で移動探査をした「世界初の人工物になった」(JAXA)。同月27日、ローバがホップで移動しながら撮影した画像や、15枚の連続写真をつないだ14秒間の動画も公開した。
はやぶさ2から分離直後の9月21日午後1時8分(日本時間)ごろ、2機のローバのうち「Rover-1A」がはやぶさ2(上)とリュウグウ表面(下)を撮影した。ローバが回転している状態で撮影しているので画像がぶれている(c)JAXA
プロジェクトは順調に見えたが、JAXAは10月11日、はやぶさ2のタッチダウン延期を発表した。当初は10月下旬を予定していたが、ローバが撮影した画像からリュウグウの地表を分析したところ、「砂地に岩が散在している」というイメージではなく「地面そのものが、大小さまざまな岩の集合」だと判明。無事に着陸させるため“長考”が始まった。
着陸のめどが立ったのは、翌19年2月。投下したターゲットマーカの着地点付近を調べ、最終的に半径3メートルほどの狭い地点を選んだ。付近の岩塊の高さが50センチ以下、表面の傾きが平均30度以内――といった条件を満たしていたためだ。「非常に精密な航法誘導が必要になるが、検討の結果それは可能」(JAXA)としている。
はやぶさ2は2月21日午後1時すぎ、リュウグウへの降下を始めた。予定より5時間遅れたが、高度5キロまでの降下速度を早めることで、予定通り22日午前8時すぎにタッチダウンを行う見通しだ。
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