YouTube、児童の性的搾取放置との指摘を受け400以上の関連チャンネルを停止
YouTubeは、児童性愛者が動画のコメント欄を悪用して性的搾取しているのを放置していると非難されたことを受け、多数のコメントを削除し、チャンネルを停止したと発表した。この問題で、数社の大手企業が広告を引き上げたと報じられている。
米Google傘下のYouTubeは2月21日(現地時間)、サービス上での児童の性的搾取の横行についての指摘を受け、関連する数千万本の動画へのコメントを非表示にし、400以上のチャンネルを停止したと発表した。
この問題は、17日にYouTuberのマット・ワトソン氏が「YouTubeは児童の性的搾取を促進しており、それは収益化されている」という動画で、YouTube上の動画を児童性愛者が悪用しているとして実態を説明したことで注目を集めたもの。
ワトソン氏によると、例えば「bikini haul(水着選びをアドバイスするような動画のサブジャンル)」というようなキーワードで検索すると、検索結果に児童の水着姿の動画が表示される。これらの動画自体はポルノ的なものではないが、そのコメント欄にその動画上で小児性愛的に好まれるシーンへのリンクが投稿される。こうしたコメントが大量に存在し、Youtubeのお勧めアルゴリズムにより、これらのコメントを簡単に利用できるとワトソン氏は説明した。
この動画が公開された後、Disney、Nestle、Epic GamesなどがYouTubeから広告を引き上げたとBloombergが報じた。
この問題について、YouTuberのフィリップ・デフランコ氏が19日、「YouTubeの搾取者問題が恐れと懸念を投げかける」という動画でかつての「エルサゲート」問題を引き合いに出し、「以前もYouTubeは問題に気づけば状況に対処した。(中略)われわれにできる最善のことは、ネット上の他の場所と同じように、悪いモンスターを報告することだ」と呼び掛けた。
YouTubeはこの動画へのコメントの形で対策状況を説明した。
YouTubeはこのコメントで、デフランコ氏に対し、「われわれがプラットフォーム上の恐ろしい行為を根絶するために懸命に働いていることを理解していただき、感謝する」と述べ、問題のあるコメントの削除やチャンネル停止に加え、違法なコメントについては当局に報告していると説明した。また、対策のための人材を増やしているとも語った。
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