国土交通省は2月22日、東京メトロ・霞ヶ関駅でボディースキャナー装置を使った旅客スクリーニングの実証実験を行うと発表した。人の流れを妨げずに危険物の持ち込みを防止する方法を検討する。期間は3月4日から7日まで。
霞ヶ関駅の日比谷公園方面改札で実施する。模擬危険物を持ったエキストラが改札機をランダムに通過し、装置で危険物の有無を検査できるかを実験する。一般旅客も検査の対象となるが、協力は任意で手荷物検査は行わない。
ボディースキャナー装置および記録用カメラ付近には実験中であることを明記する他、検査を行わない他の改札機を通ることもできる。実験中に入手した個人情報は3月31日までに破棄するとしている。
実験では、人や物から自然放射される電磁波の一種「テラヘルツ波」を映像化し、服の下に隠し持った物を検出できる「テラヘルツ波パッシブ型ボディースキャナー」を活用。多くの人が立ち止まらずに通過する状況でも連続的に検査できる見込み。装置から対象物に電磁波を照射しないため、人体には無害という。
今回の実証実験は、同省が事前に旅客スクリーニング手法などの企画提案を募集。その中から提案が採択された綜合警備保障が委託を受けて実証実験を行う。
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