「Kinect」がビジネス向けに復活 399ドルの「Azure Kinect」はAIカメラ端末
Microsoftが2017年に終了したXboxの「Kinect」コントローラの深度センサー技術を継承するビジネス向けカメラ端末「Azure Kinect」を発表した。開発キットを399ドルで発売し、6月に出荷する。クラウドに接続しなくても使えるが、AzureのAI機能を利用することで強化できる。
米Microsoftは2月24日(現地時間)、スペインのバルセロナで開催したイベントで、新たなハードウェア「Azure Kinect」を発表した。同社が2017年に製造終了したXboxのコントローラ「Kinect」の深度センサーを継承し、Azureのクラウドと連携するビジネス向けのPC周辺機器だ。
開発者向けの「Azure Kinect DK(開発キット)」の予約受付が、米国と中国で開始されている。価格は399ドル(約4万4000円)で、出荷は6月27日からの見込みだ。
Microsoftは昨年の年次開発者会議「Build」で、深度カメラ、Time of Flight(TOF)方式の距離画像センサー、マイク、加速度計を搭載し、「Azure AI」で使えるハードウェアプロジェクト「Project Kinect for Azure」を発表しており、Azure Kinectはその成果だ。
100万画素の深度センサー、7つのマイク、1200万画素のRGBビデオカメラ、アクセラレータ、ジャイロスコープを搭載し、複数台を接続することも可能。
クラウド上のAzureサービス「Azure Cognitive Services」と接続することで、映像と音声のモデルを開発し、Azure Machine Learningでそれをトレーニングし、Azure IoT EdgeでAzure Kinectを接続したPCを管理する。
医療、小売り、製造、ロボティクスなどの分野での活用を想定している。既にパートナーがAzure Kinect DKでサービスを開発している。例えば医療用コンピュータビジョン企業の米Ocuveraは、Azure Kinect採用の患者見守りツールを開発した。入院患者がベッドから転落しそうになるとそれを検出し、看護師に通知する。このツールにより、年間1万1000回発生していた患者のベッドからの転落が0回になったという。
なお、Azure KinectのQ&Aには「Xboxで使えますか?」という質問と「Xbox用には設計されていません」という回答がある。
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