不動産投資のコストを暗算で計算する:束田光陽の不動産投資の教室(2/3 ページ)
資産運用の王道の一つである不動産投資では、場所によって利回りが違います。しかし、あるていどの利回りがないと、ローン返済や運営費用がかさんで赤字になることも。必要なコストを簡単に計算する方法はないのでしょうか。ファイナンシャルアカデミーで不動産授業を担当する束田光陽先生にポイントを聞きました。
サイトウ: なるほど。どのエリアを買いますか? の答えとしては、家賃収入の2分の1でコストをまかなうという方程式を守るためには、最低8%以上の利回りでないといけないわけですね。
自宅の場合は、無視して好きなところで家を買えば、となるんですが、投資目的の場合は常にインカム収入とローン返済のバランスを練らなければならないので、地域は限定されてくるんです。
返済年数は長いほうがいい? 頭金は多いほうがいい?
サイトウ: 返済年数と頭金の量で、家賃収入とローン返済額のバランスはコントロールできると思うんですが、どう考えたら良いんでしょうか?
先ほどと同じように、3000万円の物件に頭金300万円を入れた場合、何年返済がいいかを考えましょう。長いのと短いのとどっちがいいとおもいますか?
サイトウ: 長くすると月々の返済額が少なくなりますね。一方で、長期間金利を払い続けなければいけないので、全体としては損をする?
期間を短くすることと、ローンの繰り上げ返済はほぼ同じことだと言えますよね。最初に短くするかあとから短くするかの違いですから。そして、理論的には早く返したほうが、金利2%の負担を減らせるじゃないですか。
ローンを繰り上げ返済するということは、お金を銀行に返すということですね。そのお金は現金です。つまり繰り上げ返済すると、現金を2%の運用に回せるということなんです。投資すると2%のリターンがもらえる運用商品があります。そこに投資をしますか? というのが繰り上げ返済または期間を短くすることの本質です。
そこで考えなくてはいけないのは、本当に2%の運用利率でかまわないのかということです。株式に投資をすれば配当利回り5%の株もありますよ、と。でも株を買ったら下落すれば損をしてしまいます。じゃあ不動産を買ったらどうでしょう。利回り8から10%の不動産に回したほうが資金は増えるはずじゃないですか。
不動産投資という選択肢がある限り、期間を短くしたり繰り上げ返済したりという選択肢は消えるはずだと思っています。長くしたほうがいい。
では、どうすれば長くできるのか?
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