Alexaがやってることは“盗聴”なのか? スマスピを使うリスクとメリット:ITりてらしぃのすゝめ(3/3 ページ)
AIアシスタントの「Alexa」で取得した音声記録の一部をAmazonの従業員が聞いていたという報道が話題に。スマートスピーカーは“盗聴器”なのか?
しかし、プライバシーはないがしろにしてはならない
だからといって、私たちの個人情報を技術革新のために無条件で差し出す必要はありません。“助け合いによって世界の技術レベルが向上する”のは確かですが、一部の企業だけがその恩恵を受けるのも納得がいかなかったりします。
問題の発端となったAlexaのプライバシー管理については、Amazonのコメントとアプリの設定について利用者自らが吟味し、どうするかを決めなければならないでしょう。
まずはAmazon.co.jpの「プライバシー設定」(ログインが必要)で「新機能の開発に貢献する」をオフにすることを検討してみましょう。スマートスピーカーに限らず、OS、アプリ、スマートフォンなどの品質向上に情報提供をするかどうか、あらためて身の回りのデバイスやサービスについて見直してみるといいかと思います。
今回の報道を受けて「もうスマートスピーカーは使わない」「Amazonのプロダクトは全部信用しない」といった判断を下す人もいるかもしれません。しかし、“適切に怖がる”ことができれば、リスクを理解した上で私たちの生活をより便利にすることだってできます。
まずは、私たちのプライバシーが侵害されうるデバイスが身の回りにどれだけ存在するかを把握することです。そして、それらの設定を見直した上でそれでも残るリスクを許容できるかを判断しましょう。そのためには、ベンダー側はどのような情報を取得し、その見返りとしてどのようなサービスが提供できるのか、いま以上に分かりやすくユーザーに開示すべきでしょう。
私たちのプライバシーに踏み込んでくるサービスはこれからもますます増えていくはずです。スマートフォンを始め、そういったサービスの全てを生活から排除することはもはや難しいといえます。メリットとリスクのバランスがとれているかを常に意識していきたいですね。
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