Googleの親会社Alphabet、EU制裁金で29%減益 広告売り上げは鈍化
Alphabetの1〜3月期の決算は、売上高は広告の伸びが鈍化し、予測を下回る363億3900万ドル、純利益はEUからの制裁金約17億ドルが響き、29%減だった。
Googleを傘下に持つ米Alphabetは4月29日(現地時間)、第1四半期(1〜3月)の決算を発表した。Alphabet全体の売上高は、前年同期比17%増の363億3900万ドルだった。純利益は29%減の66億5700万ドル(1株当たり9ドル50セント)だった。ネット広告事業で欧州独占禁止法に違反したとして欧州連合(EU)が科した制裁金14億9000万ユーロ(16億8200万ドル)が響いた。この影響を除いた1株当たり純利益は11ドル90セント。
非GAAPベースの1株当たり純利益はアナリスト予測の10.61ドルを上回ったが、売上高は予測の373億3000万ドルに届かなかった。Googleの広告の伸びが鈍化した。
従業員数は18%増の10万3459人。Googleのクラウド部門の拡充で、10万人を突破した。
Googleの売上高は前年同期比17%増の361億6900万ドル。広告売り上げは15%増だった。前4半期は20%増だった。
TAC(トラフィック獲得コスト)は22%増。検索と連動した広告の伸びを示すペイドクリック数は39%増。モバイル端末とYouTubeの普及の影響で下落が続いているクリック単価(CPC、クリックごとに広告主がGoogleに支払う単価)は19%減だった。
ルース・ポラットCFO(最高財務責任者)は業績発表後の電話会見で、広告売り上げの鈍化の主な原因はYouTubeがエンゲージメント広告に占める割合が急増したことだと説明した。
Googleの「その他」部門(クラウド、YouTube、Google Play、オリジナルハードウェアなど)からの売上高は25%増の54億4900万ドルだった。クラウドが好調だった。
ハードウェアについては、オリジナルスマートフォンの「Pixel」シリーズの売り上げペースが減速した。「プレミアムスマートフォン市場のプレッシャーによる」とポラット氏は語った。
同社は7日から開催の開発者会議「Google I/O」でPixel 3シリーズの廉価版「Pixel 3a」シリーズを発表するとみられている。
スンダー・ピチャイCEOは電話会見で、ハードウェア全体は順調で、特にGoogle Home MiniとHubが好調だと語った。
ムーンショット部門の Access/Fiber、Calico、CapitalG、Chronicle、GV、Verily、Waymo、Loon、Wing、Xなどをまとめた「その他」の売上高は13%増の1億7000万ドル、営業損失は8億6800万ドルだった。
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