“タッチ対応PC”が議論を深めるキーアイテムに? 会議に参加する全員を主役にするコツ:白木智幸のITフィットネス(2/2 ページ)
PCメーカーやIT企業で製品開発やプロダクトマネジャーを務めてきた白木智幸が、最新のテクノロジーやITを楽しみながら、よりよい働き方・ライフスタイルにつながるエッセンスを紹介する連載。
お作法とは、事前に説明したいことをスライド資料として用意しておくことです。音声だけでは話の意図が伝わりにくいことも多く、もはや資料を画面共有しながら話すのは、電話会議の必勝法とも言えます。
ところが、事前にスライドで作っておいた資料には柔軟性がありません。決まったことを共有したり、過去の出来事を報告したりするには適しているのですが、ビジネスでは過去を振り返るよりも「これから先どうするか」を決めることが大切です。ホワイトボードを使って今の状況を整理したり、ブレインストーミングをしたりすることもそれらに含まれるでしょう。
こうしたときにビデオ会議だけでは意思疎通が難しくなります。会議室に設置されているリアルなホワイトボードに何かを書いても、相手には見えづらいことでしょう。リモートで会議に参加したことのある方は、こうした場面に遭遇したことがあるはずです。
さらにビデオ会議では、画面共有で一人が中心となって進行していくことが多いのですが、これでは議論が深まりません。アイデアは、会議の中で賛成意見や反対意見がバランスよく出て、よくもまれたほうが成功する可能性が高まると言われます。
ビデオ会議とリアルな会議の生産性を同等にする方法は無いのでしょうか。
一つの答えはスマートホワイトボードの活用です。スマートホワイトボードは、タッチ対応の大型ディスプレイにペンの機能を備えているもので、リモートの参加者も書かれた内容を画面共有機能で見られます。
同じ場にいる会議の参加者にもメリットがあります。それぞれがタッチ対応のタブレットPCを使っているなら、ペンを使って共有されたホワイトボード上に自分の席から文字を書き込めます。前に出て主張するのはちょっと苦手という人も、手元のタブレットPCでグラフデータをアップしたり、スライド資料を共有したり、デジタルの付箋紙でメモを残したりすることで、スマートに情報を共有できます。
グイグイと前に出て行くタイプではないけど、実はいいアイデアを持っている人って多くいると思うのです。
遠隔地にいるリモート参加者がホワイトボードを見られて便利になるというだけでなく、会議室にいる人もリモート参加者も全員が会議の主役となり、議論が活性化するでしょう。小さなきっかけにすぎないかもしれませんが、ツールをうまく活用することで会議の質はぐっと高まるというわけです。
いつもの会議にスマートホワイトボードや、タッチ対応PCを取り入れてみる一つのきっかけになれば幸いです。
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