さくら、衛星データ基盤「Tellus」に「つばめ」の撮影画像を追加 新宿エリアを定点観測
さくらインターネットが、JAXAの人工衛星「つばめ」が撮影した画像を「Tellus」に追加。新宿エリアを4月2日〜5月10日の午後4時半ごろに毎日撮影したもので、新国立競技場の建設工事の進捗状況などを確認できる。撮影高度は約270キロで、他の人工衛星よりも低いため、高い解像度を実現している。
さくらインターネットは5月15日、人工衛星が取得したデータをクラウド上で分析できるプラットフォーム「Tellus」(テル―ス)に、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の人工衛星「つばめ」が撮影した画像を追加した。高度約270キロから撮影した東京都心の写真を無料で閲覧できる。
今回Tellusに追加した画像は、つばめが東京・新宿の上空から撮影したもの。撮影は4月2日〜5月10日の午後4時半ごろに毎日実施し、完成が近づく新国立競技場の他、明治神宮野球場、新宿御苑、赤坂迎賓館などが写っている。
同じポイントから定点観測しているため、新国立競技場の建設工事の進捗状況や、東京ヤクルトスワローズの試合がある日の人の流れ、道路の渋滞状況などを確認できる。
つばめは、他の人工衛星や実験施設よりも低い高度で稼働できる特徴を持つ。今回の撮影も、他の小型衛星「ASNARO-1」(約504キロ)や国際宇宙ステーション(約400キロ)よりも低い約270キロで実施し、1メートル以下の高解像度を実現している。
さくらは、Tellusの公式ブログで「こうした技術が発達すれば、道路や商業施設の混雑状況から売上予測を立てたり、事故や事件が起きた時の状況を把握したりできるようになるかもしれない」と予測している。
人工衛星が取得したデータをクラウド上で分析
Tellusは2月21日に運用をスタート。衛星データを保管するストレージのほか、解析に必要な計算機能、アプリケーションなどの開発環境、衛星データの活用法を学べるトレーニング機能などをクラウド上で提供している。
ASNARO-1や地球観測衛星「Landsat-8」が撮影した写真や、地球の陸域を観測する衛星「ALOS」が取得したデータなども一般向けに公開している。気象衛星「ひまわり」や、地球気象観測システム「アメダス」が取得したデータにも対応する予定だ。
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