シャープがスマートホームサービスを発表 消費増税“後”に照準
シャープがスマートホームサービス「COCORO HOME」を発表した。IoT家電同士の連携に加え、秋にはセコムやKDDI、関西電力などと協力し、食材の宅配や家事代行などの生活サービスを追加する。
シャープは5月20日、スマートホームサービス「COCORO HOME」を発表した。クラウドにつながるIoT家電同士が連携し、複数機器の一括操作など新しい使い方を提案する。秋にはセコムやKDDI、関西電力などと協力し、食材の宅配や家事代行など各種生活サービスを追加するとしている。
シャープは2017年から「COCORO+」ブランドで各種IoT家電とネットワークサービスを展開し、現在では10カテゴリー272機種が対応。スマートフォンアプリの累計ダウンロード数は50万に及ぶ。
COCORO HOMEはそれを一歩進め、機器同士が互いに連携して新しい使い方を生み出す。例えば洗濯機が作業を終えるとスマートフォンアプリの「COCORO HOME」(iOS、Android)に通知が届く。汚れの多い洗濯が続くと「温水極め洗いコース」をリマインドする。
秋以降には機器の利用データから利用者の習慣を学習し、COCORO HOME上でシーンに合った複数機器の一括操作を提案するようになる。例えば毎朝出かける前にテレビやエアコンをオフにしていると、アプリ上で電源一括オフの登録を促し、その後は1クリックで一連の作業を実行できる。
クラウドを含むプラットフォームは他社にも開放し、サービスによっては利用者の同意を得た上で家電が取得した“生活データ”を受け渡す。「シャープ製の家電はもちろん、他社の住設機器などとの連携を進め、つながる機器を拡充していく」(シャープ専務執行役員スマートホームグループ長兼IoT HE事業本部長の長谷川祥典氏)
秋以降はセコムやKDDI、関西電力などパートナー企業が提供するサービスと連携し、例えば離れて暮らす家族の見守り、食材などの宅配、家事代行などを家電やCOCORO HOMEアプリから利用できるようにする。具体的なサービス内容は後日改めて発表する予定だ。
セコムとKDDIは昨年8月にNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業」を受託した際、共同参画したパートナーで、異なる機器から取得したライフデータの受け渡し手法やセキュリティ、プライバシーの保護方法などを共同で検討した
COCORO HOMEが「秋」の大幅拡充を計画しているのは、10月に始まる経済産業省「生活空間におけるサイバー/フィジカル融合促進事業」の補助金に照準を合わせたため。同事業は、対象となるIoT機器や連携するサービスを契約すると補助金がもらえる、いわば“IoT版エコポイント”だ。現在は補助金の対象となる機器やサービスの申請受付が終了した段階で、補助金の額など詳細は未定だが、消費税増税後の景気刺激策という側面もある。
長谷川氏は、補助金について「デバイスとサービスを組み合わせて利用することにインセンティブを出す政策。スマートホーム普及に向けた最初のステップとなるIoT家電の販売拡大に寄与する」と期待を寄せた。
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