Googleでの抗議デモ主催者の1人、退社を表明「耐えがたい報復を受けた」
Googleでハラスメント対策などを求める大規模抗議デモを主催した従業員の1人が、職場で耐えがたい報復を受け続けたとして退社を表明した。
米Googleに対して職場でのハラスメント対策などを求める抗議デモを組織した従業員有志の1人、YouTubeのマーケティング担当マネジャーを務めるクレア・ステイプルトン氏が6月7日(現地時間)、退社するとMediumへの投稿で発表した。デモ実行後、職場でさまざまな報復を受け、ここ数カ月は「耐えがたいストレスと混乱を招いた」としている。
この抗議デモは、セクハラを報告された後に退職したアンディ・ルービン氏に9000万ドルもの退職金を払ったことなどに抗議して昨年11月に実施されたもの。主催した7人の従業員が実名を表記して全社の従業員にデモへの参加を呼び掛け、2万人が参加した。
デモを受け、Googleは雇用の透明性強化や強制仲裁中止などの改善を約束したが、今年4月、主催者の中の2人、ステイプルトン氏とAI研究者でGoogle Open Reseachの責任者を務めるメレディス・ウィテカー氏が職場で報復や嫌がらせを受けていると米Wiredが報じた。
GoogleはWiredに対し、社内調査の結果、職場での報復の証拠は見つからなかったとコメントしていた。ステイプルトン氏はMedium投稿で、「あれが報復でなければ何だというのだろう?」「上司が、今の仕事を続けることも、別の仕事を見つけることもできなくなるような一種のレッテルを私に貼ったことで、退社を決意した」と語った。
「これからもGoogleの従業員が声を上げ続け、願わくば経営陣がそれに耳を傾けますように」(ステイプルトン氏)
GoogleはThe Vergeなどのメディアに対し、「繰り返しになるが、Googleでは報復は禁じられている。社内チームがクレアの主張を精査したが、報復の証拠は見つからなかった」というコメントを送った。
ウィテカー氏は自身のTwitterアカウントで、「Googleはクレアを追い出すことで改革の動きを止めようとしている。だが、会社内の1000人の従業員を阻止することはできない」とツイートした。
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