米国に出入国した旅客の顔写真データが盗まれたと国土安全保障省
米国境で出入国した旅客の顔写真と車のナンバープレートの写真データが盗まれたと、米国土安全保障省税関・国境取締局(CBP)が発表した。CBPは「下請け業者のネットワークがサイバー攻撃をうけた」と説明した。
米国土安全保障省税関・国境取締局(CBP)は6月10日(現地時間)、サイバー攻撃により、米国を入出国した旅客およびその車のナンバープレートの写真データが盗まれたと発表した。米Washington Postなどが報じた。
CBPはメディアに送った声明文で、下請け業者のネットワークがサイバー攻撃を受け、データを盗まれたと語った。この業者はCBPとの契約に違反して、自社のネットワークにデータのコピーを保持していたという。CBPが攻撃されたわけではないと強調した。
米国の国境では、不正入出国者摘発を目的に顔認証ゲートを設置している。このシステムのデータベースには、ゲートで撮影した顔写真と、それと照合するためのパスポートやビザの顔写真が含まれている。CBPは、この攻撃で盗まれたのがどのようなデータで、何人が影響を受けたのかは明らかにしていない。
CBPは声明文で、今のところ盗まれたデータはダークウェブ上などで確認されていないとしている。
CBPは下請け業者の名前も発表していないが、Washington Postなどは米Percepticsではないかと推測している。同社はナンバープレートリーダーを含む国境保安サービスを提供している。
Percepticsについては5月、サイバー攻撃を受けてデータを盗まれ、それがダークウェブでダウンロード可能になっていると英The Registerが報じている。
CBPは攻撃を受けた下請け業者がPercepticsかどうか認めることはできないと語った。
【訂正:2019年6月11日午後18時40分 「国際空港」としていましたが、陸路の誤りでした。お詫びして訂正します。】
関連記事
- 米国際空港の顔認証ゲート、導入3日目に不法入国者を初逮捕
8月20日に顔認証ゲートを導入したワシントンのダレス国際空港で22日、システムがパスポートの写真とゲート撮影写真の不一致を確認し、初の不法入国者検出につながった。 - 米国旅行で「SNS上の名前」提出義務化 米紙報道
米国入国時には政府にアカウントバレ。 - 空港で旅客の顔をカメラで追跡、乗り遅れを防止 デンソーなど実用化へ
顔認証で、空港の保安検査場入り口以降のエリアにいる旅客の位置情報を特定。乗り遅れなどを防ぐシステムをデンソーウェーブらが開発。早期の実用化を目指す。 - 東京五輪、関係者は「顔認証」入場 大会史上初 “改札並み”にスムーズ
2020年の東京五輪・パラリンピック競技大会では、関係者が会場に入る際、NECの顔認証システムが使われる。選手やスタッフ、ボランティアなど大会関係者約30万人が対象。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.