宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月11日、探査機「はやぶさ2」の小惑星「リュウグウ」への2回目のタッチダウン運用が成功したと発表した。4月にリュウグウの表面に金属の弾丸を打ち込んだ際、地下物質が飛び散っており、今回のタッチダウンは、この時に飛び散った地下物質の回収が目的だ。
はやぶさ2のタッチダウン運用は、11日午前10時5分ごろスタート。管制室の様子はYouTubeでライブ配信された。
ライブ配信では午前10時22分ごろ、はやぶさ2が計画通りリュウグウから上昇したことが分かり、管制室に最初の拍手が響いた。42分ごろにははやぶさ2との通信が回復し、「今のところ問題ない」と確認。10時53分ごろ最終確認が終わり、成功が確定したことがアナウンスされた。
はやぶさ2は当初、昨年10月下旬に最初のタッチダウンを行う予定だったが、リュウグウ表面が想定以上でこぼこし、適した土地が見つからなかったため延期。今年2月に初回のタッチダウンに成功していた。
4月には金属の塊をリュウグウの表面に打ち込み、人工クレーターを作成。その際、地下にあった物質が舞い上がり、クレーターの周囲に飛び散っていた。2回目のタッチダウンは、この地下物質を回収することが目的。採取できていれば世界初の快挙だ。
関連記事
- 写真で見る「はやぶさ2」の旅路
地球から約3億キロの彼方にある小惑星「リュウグウ」に、探査機「はやぶさ2」が2月22日朝、タッチダウン(最初の着陸)を行う予定だ。2014年12月の打ち上げから約4年間にわたる旅路を、はやぶさ2が撮影した写真とともに振り返る。 - 「はやぶさ2」タッチダウンの瞬間、映像初公開 「人類の手が新しい星に届いた」
JAXAは3月5日、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」への最初のタッチダウンに成功した瞬間の映像を、YouTubeで公開した。「人類の手が新しい星に届いた瞬間」だ。着地地点は「たまてばこ」と名付けたという。 - 「これ以上にない期待」 はやぶさ2「着陸後の画像」公開、表面物質を回収か
はやぶさ2が「リュウグウ」着陸後、上昇しながら撮影した画像を、JAXAが公開。はやぶさ2はリュウグウの表面に弾丸を撃ち込んでおり、飛び散ったかけらを回収できた可能性もある。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.