ビットポイント親会社、株価が連日ストップ安 かつて株主にビットコイン無償配布、“注目銘柄”から一転
ビットポイントジャパンの仮想通貨流出問題を受け、親会社のリミックスポイント(東証2部)の株価が続落。2営業日連続のストップ安となる前営業日比80円安(−22.9%)となる270円まで値を下げた。リミックス社はかつて、仮想通貨事業の“注目銘柄”として投資家の期待を集めていた。今回の問題を受け、ネットには投資家の嘆き節が多く投稿されている。
7月16日の東京株式市場で、電力事業などを手掛けるリミックスポイント(東証2部)の株価が続落し、2営業日連続のストップ安(値幅制限下限)となった。同社は、12日に約30億2000万円相当の仮想通貨の流出が発覚した、仮想通貨交換業者ビットポイントジャパン(BPJ)の親会社。かつては株主にビットコインを無償配布するなど話題を呼び、人気銘柄となったが、一転して厳しい状況に置かれている。
16日のリミックスポイントの株価は、前営業日比80円安(−22.9%)の270円まで値を下げ、年初来安値を更新した。BPJは、流出した仮想通貨の保有者に補償を行う他、原因究明と再発防止策の立案を進めるとしているが、投資家からの失望売りが相次いでいる。
株主にビットコイン無償配布、“注目銘柄”に
リミックスポイントは16年にBPJを設立し、仮想通貨取引市場に参入。17年にはBPJに口座を持つ株主にビットコインを無償配布して話題になった。BPJは、セキュリティの強固さや取引手数料の安さをアピールして支持を獲得。17年には金融庁の審査を通過し、仮想通貨交換業者として登録された。
一連の背景を踏まえ、リミックスポイントは当初、仮想通貨事業に先見の明を持つ“注目銘柄”として投資家の期待を集めていた。
BPJは18年6月に、金融庁から資金決済法に基づく業務改善命令を受け、改善策の報告義務を課された(19年6月に解除)が、当時のリミックスポイントの株価は1000円前後。根強く応援する投資家は残っていた。
だが今回の事件により、こうした期待は裏切られた格好だ。Twitterには、「リミックス株が“紙くず”になったと思うと気が楽だ」「60万円の含み損を抱えた」「ストップ安張り付けにされたのは初めてで、人生最大の含み損だ」といった、投資家の嘆き節が投稿されている。
ホットウォレットの秘密鍵が流出
BPJは16日の取引終了後に記者会見を開き、小田玄紀社長が公式に謝罪。現時点で判明した被害額などを発表した。流出したのはリップル・ビットコイン・ビットコインキャッシュ・イーサリアム・ライトコインの5銘柄で、流出額のうち、ユーザーからの預かり分は20億6000万円相当だったという。
これらの銘柄はホットウォレットで管理しており、秘密鍵が第三者に窃取されたことが流出の要因という。現在は詳しい原因や流出経路を調査しており、12日から停止しているサービスの早期再開も目指すとしている。
「Zaif」旧運営元と比較し、BPJを応援する声も
他社の仮想通貨流出問題に目を向けると、18年に「Zaif」で約70億円相当が流出した際、当時の運営元であるテックビューロは記者会見などを行わなかった(現在はフィスコ仮想通貨取引所が運営)。そのため、テックビューロは未上場ではあるものの、「説明責任を果たしていない」などと批判を集めていた。
Twitterでは、ZaifとBPJを比較して「(BPJは)できることをやっているとの姿勢は伝わった」「真摯(しんし)な会見だった」「会見を開いているだけ、Zaifよりはマシ」「BPJの社長は誠実そうだ」――などと、BPJの対応を評価する声も出ている。
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