Googleでの抗議デモ主催者がまた退社 ニューヨーク大のAI倫理機関ディレクター専任に
Googleの職場でのハラスメントに対する抗議やAI倫理についての運動で活躍した従業員、メレディス・ウィテカー氏が同社を去り、在職中に立ち上げたニューヨーク大学のAI倫理機関AI Now Instituteのディレクター専任になる。
米Googleに対して職場でのハラスメント対策などを求める抗議デモ「GoogleWalkout」を組織した従業員有志の1人、AI研究者でGoogle Open Reseachの責任者を務めるメレディス・ウィテカー氏が7月16日(現地時間)、退社するとTwitterで表明した。
ウィテカー氏は、6月にYouTubeを退社したクレア・ステイプルトン氏らとともに、GoogleWalkoutを推進した。
同氏はGoogleが3月末に立ち上げたAI倫理諮問委員会ATEAC(Advanced Technology External Advisory Council)のメンバーに保守系シンクタンクHeritage Foundationのケイ・コールズ・ジェームズ所長を指名したことへの従業員の反対運動にも深く関わった。
ウィテカー氏とステイプルトン氏は4月、GoogleWalkoutに参加したことで、Googleから報復を受けていると報じられた。
ウィテカー氏は、会社に留まりたければ、AI倫理に関する取り組みと、同氏がニューヨーク大学(NYU)で立ち上げたAI倫理に関するプロジェクトAI Now Instituteから手を引くよう言われたという。
AI Now Instituteは、同氏がNYU教授で米MicrosoftのMicrosoft Researchの主幹研究員でもあるケイト・クロウフォード氏と2017年に立ち上げた、AIの社会的意義について学際的に研究する組織。
ウィテカー氏はGoogle退社後、AI Nowのディレクターとして今後もAI倫理活動と(AI活用についての)説明責任のあるハイテク業界の組織化に尽力していくとしている。
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