Google、顔認証用データを足で集めていることを認める 町で声かけ、5ドル提供
Googleが次期フラグシップ「Pixel 4」の顔認証システムの精度向上のため、従業員が町で一般人に声をかけ、顔データを有償で集めていることを認めた。人種や性別の偏りを極力減らす目的だ。
米Googleが、7月29日(現地時間)に発表した次期フラグシップ「Pixel 4」の顔認証システムのために、従業員が町で一般人に声をかけ、顔データを有償で集めていることを認めた。米The Vergeが同日、Googleのコメントを添えてそう報じた。
この件については、米ZDNetが21日の記事で、通りで声を掛けられた友人の体験談を紹介していた。それによると、ニューヨークの町で休憩していると男が近づいてきて、「こんにちは、私はGoogleの従業員です。次世代顔認証ロック解除の改善のためにデータを収集しています」と言って改造したPixel端末らしきものを手渡し、約5分間、端末を持って顔や手を動かすよう依頼した。男は見返りとして、5ドル分のギフトカード(AmazonかStarbucksから選べた)をくれたという。
GoogleはThe Vergeに対し、米国の複数の地域で「現地調査」と呼ぶ調査を実施していることを認めた。目的はPixel 4での顔認識の精度を高めるため。顔認識の機械学習では、学習用のデータセットに偏りがないようにすることが重要だ。
Googleは顔データ収集に当たり、使用目的を説明し、同意書に署名させ、希望すればデータを削除すると約束した。集めた顔データは18カ月保存する。最低限の連絡のためにメールアドレスは求めたが、顔データは極力匿名化し、Googleアカウントとは関連付けないようになっていると説明した。
Pixel 4の顔認証は、米Appleの「Face ID」と異なり、デバイスを顔の前に持ってこなくても取り上げただけで反応し、スワイプせずにホーム画面が表示されるようになる見込みだ。
また、顔データはデバイスに搭載する「Titan M」チップに保存され、Googleのサーバに送られることはない。
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