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IoTで中学生の熱中症対策 「LoRaWAN」活用 NTT西と吹田市など
IoTを使った熱中症対策の実証実験が、吹田市立南千里中学校で始まった。IoT規格の1つである「LoRaWAN」を活用して収集したデータに基づき「暑さ指数」を算定し、教職員などが端末を通じてリアルタイムにチェックできるようにする。
大阪府吹田市とNTT西日本、NTTフィールドテクノ、フジクラは、IoTを使った熱中症対策の実証実験を、吹田市立南千里中学校で、9月30日までの2カ月間行う。IoT規格の1つである「LoRaWAN」を活用して収集したデータに基づき「暑さ指数」を算定し、教職員などが端末を通じてリアルタイムにチェック・対策できるようにする。
実験では、温度・湿度・輻射熱などを計測するセンサーを、運動場と体育館にそれぞれに設置。計測したデータは、学校の屋上に設置したLoRaWANの通信端末を通じてクラウド上に蓄積する。
計測結果を基に、熱中症予防を目的にした指標「暑さ指数」を5段階で算定。職員室内のPCやタブレットなどから閲覧できるようにする。暑さ指数が基準値を超えた場合は、運動場や体育館に設置したパトランプで教職員や生徒に警告するほか、メールを通じて注意喚起し、速やかな対処を促す。
体育の授業や部活動などで運動を行う児童・生徒は、大人よりも体格が小さく、熱中症リスクが高いと想定されており、IoTを活用して熱中症予防につなげる。
実験を通じて屋内外のデータを一定期間取得することで、安定した通信が継続的に行えるか検証し、LoRaWANの実用性を確認する。得た知見は今後、小中学校などの教育機関や、高齢者を対象とした熱中症対策などに生かしていく。
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