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AIベンチャーは「ヤフー知恵袋」じゃない タダ働きからの卒業宣言:マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!(5/5 ページ)
「ツールの説明をしてほしい」「デモを見せてくれ」――AIベンチャーは、ユーザー企業から毎日のように来るこんな依頼に頭を悩ませている。ツールベンダーの「タダ働き問題」を斬る。
「意思決定を早めるための意思決定が遅い」という矛盾
業務効率化を実現するデータ分析ツールのために長い時間と無駄な手間をかけるのは、体を張ったギャグにしか見えません。
分析ツールを導入する背景には「外注費用が高い」「内製化してコストを削減したい」などがありますが、意思決定を早くした方がよほど効果があります。いつまでも社内のデータ分析を使い勝手の悪い“神Excel”や一部の社員に依存するプログラミング、機能制限のかかったフリーソフトで行うのは限界があります。
そうした問題を解決するためのデータ分析ツールを導入するのに、半年かけて情報収集し、1年かけて比較検討し、3年かけて必要なライセンスをそろえて……と進めていたら、全社にデータ分析文化が根付くころには元号が変わっているでしょう。
データ分析ツールの目的は、無駄なコストの発見と削減、意思決定の迅速化、データによる意思決定です。それを実現するために、どれだけの手間暇をかけるのでしょう。関わったツールベンダーの手間を含めれば、提案、資料作成、デモ準備、PoC(概念実証)、経営陣の説得と根回し、予算取得、トレーニングなど多岐にわたります。
もしもあなたの会社がデータ分析ツールを導入したなら、まずは導入にかかったコストを分析してはいかがでしょうか。
本記事執筆において、ITベンチャー時雨堂による「無料での情報搾取」のエントリを参考にさせていただきました。承諾いただき、ありがとうございます。
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